ほえほえ^~どうも、米国株ETF投資家のほえタコです。
米国株投資をしようとするときに、初心者に一番おすすめしやすいのが米国市場に丸ごと投資すること。すなわち市場平均への投資です。
ここでしばしば迷うのが
- VTI(バンガード トータルストックマーケットETF)
- VOO(バンガード S&P 500 ETF)あるいはIVV、SPY
のどちらを選択するかです。
両者ともさしたるパフォーマンス差がなく、迷っている時間も勿体無いですから結論を先に書きます。
「迷う」という前提条件があるのであれば、ほえタコはVTIを推奨します。
逆に、迷っていないのであれば、どちらでも良いです。自分の気持ちの納得の行く方を選ぶのが一番です。
VOOよりもVTIを勧めるのには、ふたつの理由があります。
1.投資対象を絞れば絞るほど、より強固な投資根拠が必要となる
見出しのとおり「投資対象を絞れば絞るほど、より強固な投資根拠が必要となる」
理由のひとつはこれです。
例えば、
- VT(バンガード トータル ワールド ストックETF)
- VTI(バンガード トータルストックマーケットETF)
- VOO(バンガード S&P 500 ETF)
- HDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)
- XOM(エクソン モービル)
に投資する場合を考えてみましょう。
投資対象範囲をざっくりと図にすると、こんな感じになります。
下に行けば行くほど投資対象は厳選され、それゆえにより強固な投資根拠が必要となります。
(べつに投資根拠は無くてもいいんですが、長期投資で自分を納得させるためには、やはり自分なりの考えを持っていた方が良いです)
- VT = 世界経済の発展に投資する
- VTI = 世界のなかでも米国経済の発展に投資する
- VOO =米国株のなかでもS&P500に選ばれた大型株に投資する
- HDV = 大型株を中心に「高配当・事業内容・財務健全性」でより厳選した米国優良株に投資する
- XOM =米国大型高配当株のなかでもエネルギー会社のエクソンモービルに投資する
一番わかりやすいのがVT(バンガード トータル ワールド ストックETF)への投資で、これはもう全世界の市場丸ごとに投資しますから「俺は世界経済、ひいては人類の発展に賭けるんだ!!」という気持ちがあれば、VTを長期ホールドし続けられます。
ところがVTI(バンガード トータルストックマーケットETF)を選ぶとなれば当然ながら「なんで他の先進国や新興国を除いて、米国だけに投資をするの?」というツッコミが入ります。
今は運良く米国市場が圧倒的にアウトパフォームしていますが、これが逆転したときに「それでも俺はアメリカを信じるんだ!」という強い気持ちがないと、VTIの長期保有はつらくなります。
VOO(バンガード S&P 500 ETF)となるとさらに大型株に絞りますから「なんでわざわざ中型・小型株を取り除く必要があるの?」に答える必要があります。
相場においては「小型株効果」と呼ばれるアノマリーがあり、傾向としては時価総額の小さい小型株の方が、長期パフォーマンスでは大型株を上回ります。
またS&P500は時価総額加重平均型株価指数であるためFANGの影響が大きく、今はApple(AAPL)が業績減速懸念で大きく売られていますがそのような環境下で足を引っ張られやすい……ですとか、S&P500企業は割高で期待を集めすぎている……みたいな言説にいちいち反論を考えるのは面倒なものです。
VTIとVOOは時価総額でおよそ75%も重複しており値動きも大差ないです。さらに言えば、両者の相関性は99.9%を超えています。
あえてS&P500採用大型株を選び取る明確な根拠を持っていない場合は、VTIを選ぶのが自然な判断と言えます。
ちなみに、ほえタコはVOOよりもさらに対象範囲が狭いHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)に投資をしています。
VTIとVOOのパフォーマンスが僅差であるのに対して、HDVは市場平均にそれなりに負けています。
ゆえに「すなおに市場平均を買っておけば良いのに、なんでパフォーマンスに劣る高配当ETFなんて買ってるの?」というツッコミが入ります。
これに対するほえタコの回答は
「たしかにHDVは市場平均に負けているものの《エコノミック・モート》《デフォルト懸念スコア》の基準をクリアした優良高配当株への長期投資は、安定したインカムを手に入れることができ、景気後退・不況下においてもストレスなく保有し続けられる。総じて心理的効用が高い」
となります。
ツイッターでも呟いたのですが
HDVに関する記事を書きまくっていて気づいたんは、うちはHDVが好きやけれども、期待はほとんどしていないということなんやね。長期的にHDVが市場平均をアウトパフォームするとは、おそらくこれっぽっちも考えていない。それでも好きなので、ポートフォリオの100%を占めている。
— ほえタコ (@HoeTako) 2019年1月2日
「HDVが自分の性格に合っているから、好きだから投資している!」の一言に尽きます。
ETFではなく個別株への投資となると、好きだから!だけでは不足で、財務諸表を読み解いたりニュースをチェックしたり(とくに外国企業の株となると)高い情報収集スキルを求められます。
例えばXOM(エクソンモービル)への長期投資の判断は非常に難しいもので、企業の業績だけでなく原油価格の動向、エネルギー市場が将来的にどのように変化してゆくかまで考えなくてはいけません。
「大は小を兼ねる」ではありませんが、あえて「小」を選び取るにはそれだけの根拠が求められます。
「迷う」という前提条件があるのであれば、VOOよりもVTI、というのはそういう理由です。
もしVTとVTIで迷っているのであれば、より投資対象の広いVTを選択するのが自然です。
VTとVTIで「迷う」とはすなわち、米国市場の優位性に懐疑的であることを意味しますから、自分の心に反してまでVTIを選ぶ理由がありません。
2.買って後悔するよりも、買わずに後悔する気持ちの方が大きい
2006年にボストン大学のリサ・アベンドロス教授が調査し発表した論文によると「行動(購入)の後悔よりも、不作為(未購入)の後悔の方が、省略バイアスの逆転により後悔の度合いが大きくなる」結果が出ています。
つまり「買って後悔するよりも、買わずに後悔する気持ちの方が大きい」ということです。
さておき、VTIとVOOどちらを選ぶかの問いは「S&P500の購入に、25%の小型株オプションを付け加えるか?」の質問に置き換えられます。
すなわちVOOを購入し、仮にVTIがVOOをアウトパフォームしたときは「やっぱり小型株も買っておけば良かった」と後悔します。
逆にVTIを購入し、VOOがVTIをアウトパフォームしたときは「やっぱり小型株は買うべきではなかった」と後悔します。
両者の後悔の度合いを比較すると、おそらくは「小型株いらんかった」よりも「小型株も買うべきだった」の後悔が若干大きいものと推測されます。これがふたつめの理由です。
もっともアベンドロス博士の調査は「旅行先でお土産を買うか買わないか」といったものであるため、この理論が投資の世界にも当てはまるかは微妙です。
ただ、このような考え方もありです。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~