ほえほえ^~、どうも、米国株ETF投資家のほえタコです。
2019年の世界経済の見通しは暗く、米中貿易戦争の余波でアメリカや中国だけでなく他のアジア諸国の製造業が打撃を受け、さまざまな問題を抱えるユーロ圏も経済成長は伸び悩んでいます。
とはいえ資本主義社会がこれからも続くのであれば、長期的には「世界株式市場に丸ごと投資する」いわゆる《世界市場ポートフォリオ》を組むのが最も経済合理的な判断です。
※無論、世界市場ポートフォリオも万能ではなく「リスク・リターン面で効率的とは言えない」みたいな反論はされています。
世界全体に投資する手段はいろいろあって、例えば米国ETFであれば
- VT(バンガード トータル ワールド ストックETF)
- ACWI(iシェアーズ MSCI ACWI ETF)
があります。
投資信託だと
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
の3つですね。(他にもありますが信託報酬はこれらが安いです)
米国株ブロガーのなかで最も評判が高いのがVT(バンガード トータル ワールド ストックETF)で、経費率は0.10%と上記のなかでは最安です。
しかしながらVTには日本株がおよそ8%の割合で含まれます。日本株が入っていることをあまり好ましく思わない考え方はたしかにあるといえばあります。
「世界分散投資をしたいけれども、日本株を除外した指数に投資したい」と考える投資家は、大別すると以下の3タイプに分かれると思います。
- すでに国内個別株に投資している
- 日本の将来性を強く悲観している
- 超円安時のヘッジ手段として世界株に投資したい
戦略として正しい正しくないはさておいて、いずれにせよ「日本を除外した世界市場に投資する」需要はたしかにあります。
これを叶えるのが
1554[上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本]ETF
ですね。
1554の信託報酬は0.15%ですが、実質的な負担を含めると年率0.2592%のコストがかかります。
投資信託であれば「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が信託報酬0.15336%以内で最安ですね。こちらも実質コストを加味すれば、1554と同じくらいです。
ちなみに特定口座なら1554 ETFは貸株サービスに出せます。
記事執筆時点においてSBI証券では0.10%、楽天証券では0.20%の貸株金利を受け取れます。
もちろんETFと投信のどちらが得かはNISAの口座種別や投信マイレージの有無、各証券会社のETF売買手数料無料制度等、ケースバイケースで変わります。
1554 vs VT

※SBI証券
- 青線:1554[上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本]
- 赤紫線:VT(バンガード トータル ワールド ストックETF)
上の比較チャートのとおり、少なくとも2011年~2018年までの過去7年間では日本を除外したMSCI ACWI指数の方がVTをアウトパフォームしています。
VT vs EWJ
VTよりも全世界株式(除く日本)のパフォーマンスの方が優秀であるということは、逆説的に世界株のなかで足を引っ張っているのは日本であるということになります。

※Portfolio Visualizer
- 青線:VT(バンガード トータル ワールド ストックETF)
- 赤線:EWJ(iシェアーズ MSCI ジャパン ETF)
過去10年間における年平均成長率はVT(世界株)が9.50%であるのに対してEWJ(日本株)は4.43%と大きくアンダーパフォームしています。
(参考)VT vs EWJ – Backtest Portfolio Asset Allocation
今後も日本株が世界株に負け続けると読むのであれば、1554に投資する方が戦略には適います。
1554 ETFのデメリットとして、VTよりも圧倒的に出来高が少なく流動性リスクがあることは挙げられます。
とはいえETFですから、リーマンショックのような金融危機が起こった際に慌てて投げ売りする(本来の基準価額よりも低いところで成売する)愚行をしない限りは心配いらないでしょう。
投資家のパニック売りで基準価額と市場価格とに乖離が生ずれば、それは絶好の買い場となります。
VTと1554はどちらが良いか
未来を予見できない以上、日本を投資対象から除くのが良いかどうかは分かりません。
素直に世界市場ポートフォリオを組むのであればVT(バンガード トータル ワールド ストックETF)が良いと思います。
しかしすでに日本株に投資している人や、あるいは日本の未来に超悲観的な人は1554[上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本]の方が合っているかと思います。
信託報酬はVTよりかは高いものの、円をドルに替える手間も省けますし、証券会社によっては売買手数料も無料になりますし、特定口座なら貸株サービスで金利収入を受け取れます。
あまり注目はされないものの、個人的にはVTよりも1554の方が好みです。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~