ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。
ほえタコはHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)をポートフォリオの100%で運用しています。
そもそも、ほえタコが数多くある米国高配当系ETFのなかであえてHDVを選んだのは「HDVが市場平均はもとより高配当ETFのなかで一番アンダーパフォームしていた(成績が劣っていた)」からです。
(Backtest Portfolio Asset Allocation – Portfolio Visualizer)
2012~2018年の年平均成長率は
- VOO(バンガード S&P 500 ETF) 12.67%
- VYM(バンガード米国高配当株式ETF)11.48%
- HDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)9.93%
で、ほえタコが全力投資するHDVが一番負けています。※分配金再投資込み
同じ高配当系ETFであるSPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)やVIG(バンガード 米国増配株式ETF)と比較をしても、やっぱりHDVが一番負けています。
とはいえ2018年の単年に限れば、HDVが設定以来初めて市場平均とVYMの両方に勝ちましたから、パフォーマンス差は若干縮まりました。
(2018年の年間リターンはVOO -4.50% / VYM -5.91% / HDV -2.98% ※配当込み)
トレンドフォローと外挿バイアス
ところで、人間には《外挿バイアス》と呼ばれる認知の歪みがあります。
外挿バイアスとは、未来を予想するときに過去の結果に依存し過ぎる心の性質です。
投資ではテクニカル戦略として「トレンドフォロー」なる考え方がありますが、外挿バイアスの典型と言えるでしょう。
「これまでチャートが右肩上がりだったのだから、これから先も右肩上がりになる確率の方が高いだろう」と考えるわけですね。
他にも例えば、
- ナスダック総合指数はS&P500やダウ平均を今後もアウトパフォームする
- 情報技術セクターは他のセクターより優れている
- 負け組の先進国や新興国に投資するよりも、勝ち組の米国に投資しよう
みたいな論も、その言説の根拠がもし過去のチャートにしかないのだとしたら、完全に外挿バイアスに陥っています。
過去のパフォーマンスがどれだけよくとも、過去は過去。それは未来の実績を保証しません。
勝ち組と負け組の逆転アノマリー
1986年、新行動経済学が芽生える少し前、ヴェルナー・デボンド(Werner De Bondt)とリチャード・セイラー(Richard H. Thaler)の研究において《逆張り戦略》の有効性が確認された事案があります。
その研究結果によると、過去に高いパフォーマンスを残した「勝ち組」ポートフォリオは、その後同じ期間では不調に陥り、低いパフォーマンスを残す。
逆に、過去に成績の冴えなかった「負け組」ポートフォリオは、その後同じ期間では高いリターンをもたらす。そういう傾向が見られたそうです。
つまり勝ち組と負け組のパフォーマンスが逆転するわけですね。
これは外挿バイアスにより
- 勝ち組となった人気株はますます人気になる
- トレンドフォローの投資家が群がり株価がどんどん上がる
- 業績が良いからと高いPERも許容される
で結果としてその銘柄が割高となり、熱が冷めたときに一気に落ちるからでしょう。
それが効率的な市場であれば「逆張り戦略が有効」だなんて結果が出るわけがありませんから、デボンドとセイラーの研究結果は、効率的市場仮説を否定します。
アマゾン(AMZN)の乱高下を眺めていると、30年経った今でも市場はぜんぜん効率的じゃないんじゃないかな、と思います。
なんにせよ、過去のパフォーマンスや比較チャートに頼って投資対象を決めるのはおすすめできません。
逆張りと賭博者の錯誤
逆張り効果を信じるならば、むしろ市場平均にアンダーパフォームしている不人気銘柄の方にほえタコは魅力を感じます。視野を広げるならば、米国株よりも新興国株に目を向けたいなとこの頃は考えています。
とはいえ「これまで○○は市場平均にずっと負け続けてきたのだから、これからは逆にアウトパフォームするはずだ!」と考えるのも、これはこれで危険です。
この考え方を《賭博者の錯誤》またの名を《ギャンブラーの誤謬》と呼び、同じくバイアスの一種です。
ほえタコは逆張り大好き人間ですから、記事タイトルのとおり「アンダーパフォームしているポートフォリオにこそ魅力を感じる」変わり者です。しかしこれもやはり、認知の歪みを抱えていることを自覚する必要があります。
このブログでもチャート画像をたくさん載せていますから大きな声では言えませんが、チャートを参考に投資対象を評価する癖は私も改めなくてはなと反省しています。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~