米国株ETF「売買回転率」ランキング(圧倒的1位はもちろんHDV)

ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。

ETFを比較するとき、ひとつ参考となる指標として「売買回転率」なるものがあります。

ETFにおける売買回転率とは、そのファンドが1年間のうちにどれだけポジションを変更したかを図る指標で、銘柄入れ替えが多いETFほど(つまりスマートベータ型ですね)売買回転率が高くなります。

計算式としては「年間の購入資産の合計額(追加銘柄)」と「年間の売却資産の合計額(除外銘柄)」のうち、数が大きい方の合計額からそのファンドが保有する「平均資産額」を割って割合を計算します。簡単に言えば資産比で見た銘柄の交換率です。

タイトルでネタバレをしてしまって恐縮ですが、結論から述べると米国株ETFにおいて売買回転率が最も高いのはHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)です。

HDVの売買回転率の高さは、他のETFを寄せ付けないレベルで圧倒的です。

前置きはこのくらいにしてランキングを見ていきましょう。日本で一般的に買われている米国(一部米国外)ETFを25個サンプルとして集めました。

売買回転率のデータは2019年11月11日時点のものであり、( https://www.marketwatch.com/ )のデータを参照しています。

ちなみに売買回転率は英語で「 turnover rate 」です。

売買回転率ランキング

順位ティッカー銘柄名売買回転率
1HDViシェアーズコア米国高配当株ETF57%
2DGRSウィズダムツリー米国小型クオリテ配当成長42%
3DGRWウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長29%
4SPYDSPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF28%
5PFFiシェアーズ優先株式&インカム証券ETF28%
6DESウィズダムツリー米国小型株配当ファンド26%
7DVYiシェアーズ好配当株式ETF21%
8IJHiシェアーズS&P 中型株ETF17%
9VIGバンガード米国増配株式ETF16%
10IJRiシェアーズ S&P小型株 ETF14%
11VYMバンガード米国高配当株式ETF13%
12VUGバンガード米国グロースETF11%
13DLNウィズダムツリー米国大型株配当ファンド11%
14VWOバンガード FTSEエマージングマーケッツETF11%
15VTIバンガードトータルワールド ストックETF9%
16VTVバンガード米国バリューETF8%
17VDCバンガード米国生活必需品セクターETF8%
18VGTバンガード米国情報技術セクターETF7%
19VHTバンガード米国ヘルスケア セクターETF6%
20QQQインベスコQQQトラストシリーズ5%
21SPLGSPDRポートフォリオ米国大型株式ETF5%
22VOOバンガードS&P500ETF4%
23VTIバンガードトータルストックマーケットETF3%
24VEAバンガード FTSE先進国市場(除く米国) ETF3%
25DIASPDRダウ工業株平均ETF2%

HDVの売買回転率が57%と圧倒的ですね。

HDVと比較されがちなVYMで13%程度。トリッキーな高配当スマートベータで有名なSPYDでさえ28%ですから、いかにHDVが異質かが分かります。

レバレッジをかけていない米国株ETFのなかでHDVを上回る売買回転率の銘柄は見つかりませんでした。(SPXL[S&P500ブル3倍]の売買回転率は95%ですが、レバレッジ系は構造的に必ず売買回転率が高くなるので、これは除外します)

一般的傾向として、大型株ETFよりも小型株ETFのほうが売買回転率は高くなります。これは小型株ETFに比べて大型株ETFでは、時価総額加重平均で銘柄を集めたときに、銘柄の変動が起こりづらいからです。

HDVの異質たるゆえんは、HDV自身が「大型株」中心のETFであるにもかかわらず、銘柄入れ替えをしまくっていることなんですね。

売買回転率が高いのは問題なのか?

私のブログを普段から読んでくださっている皆様はご存知のとおり、HDVは3ヶ月に1回の頻度で銘柄入れ替えをおこなっており、銘柄構成の上位陣がころころ入れ替わります。

見方によっては3ヶ月ごとにスイングトレードをおこなうアクティブファンドのような動きをしており、その”トレード”は高値掴み安値売りのど下手な素人トレーダーのようなときもあれば、暴落ナイス回避の凄腕トレーダーのような手腕を見せるときもあります。

いずれにせよ、HDVの構成銘柄は良くも悪くも流動的であり、アクティブファンド的であり、落ち着きがないものです。

売買回転率が高いのは、一般的には「悪いこと」として捉えられる傾向にあります。

というのも、ファンドの売買回転率と年間収益率とのあいだには相関性が見られ、過去データでは売買回転率が低い方が成績が良い結果となっているからです。

https://www.nasdaq.com/articles/why-high-turnover-bad-2015-08-17

2015年とやや古い記事ですが、上の記事では米国スモールキャップバリューに投資するミューチュアルファンドの売買回転率と年間収益率の関係性を調べています。

結果、売買回転率が14%以下のファンド群は3年間・5年間でのパフォーマンスが最も高かったのに対して、売買回転率が14%を超えるファンド群はパフォーマンスがいまひとつな結果となりました。

また2016年の米国大型株ファンドの検証でも、回転率が高いほどトータルリターンは低くなる相関が見られるとの記事が見つかりました。

ミューチュアルファンドではなくETFでもこの傾向は当てはまるでしょうか。

上図は

  • DGRS(ウィズダムツリー米国小型クオリテ配当成長)
    回転率 42% → 年平均成長率 6.49%
  • DES(ウィズダムツリー米国小型株配当ファンド)
    回転率 26% → 年平均成長率 6.66%
  • IJR(iシェアーズ S&P小型株 ETF)
    回転率 14% → 年平均成長率 8.07%

の2014年~2019年の配当再投資込みのパフォーマンスです。

たしかに売買回転率が低い方がパフォーマンスが高くなっています。

\小型クオリテ配当成長/みたいな気取ったスマートベータよりも、シンプルに小型株の平均を買った方が成績が良い結果となりました。

高配当系のETFでも見てみましょう。

  • HDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)
    回転率 57% → 年平均成長率 10.81%
  • DVY(iシェアーズ好配当株式ETF)
    回転率 21% → 年平均成長率 12.19%
  • VYM(バンガード米国高配当株式ETF)
    回転率 13% → 年平均成長率 12.52%

たしかにこちらも、2012年~2019年の配当再投資込みパフォーマンスで、売買回転率の低い高配当系ETFほどパフォーマンスが高い結果となりました。

もちろんこれだけでは相関性があるとは言えず、現在の相場傾向によるものとも考えられます。

ただ心理的効用を考えると、投資対象が同じようなETFで迷った場合は「売買回転率が低いもの」を選ぶようにするとのちのちの不安が無くて良いかもしれません。

ちなみに初めての読者さんは意外に思われるかもしれませんが、私は株式資産ポートフォリオの100%がHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)です。HDV大好きマンです。

HDVは、高い売買回転率を持つ特殊中の特殊なスマートベータ系ETFであることをよく理解した上でなければ、おそらく買わないほうが良いETFです。したがって他者にHDVをおすすめすることはありません。

私がHDVを好むのは、面白いからです。HDVの売買回転率は2016年には74%を記録しました。一見して優等生ぶった真面目な高配当ETFのような面をしておいて、そのじつ内面がこんなにぶっ飛んでいて面白いETFはそうそうありません。パフォーマンスはさておいて、持っていて飽きないETFです。

HDVの高い売買回転率による「見えないコスト」はそんなに気にしなくて良い

売買回転率が高いことによるデメリットには、銘柄入れ替えに伴う「見えないコスト」が発生することが挙げられます。

しかしこちらはHDVに関してはさほど神経質になる必要はありません。

HDVは『Morningstar Dividend Yield Focus IndexSM』というモーニングスター社の指数に連動するように設計されています。したがってこの指数とHDVとのパフォーマンスの乖離で見えないコストが見えるようになります。

銘柄YTD(年初来)1年3年5年
HDV17.10%9.09%10.28%8.24%
Dividend Yield Focus Index17.26%9.22%10.38%8.34%

5年間の運用で指数との乖離はたったの 0.1% です。十分許容範囲と言えるでしょう。

以上、総括しますと、HDVをポートフォリオの主軸に据えるならば、売買回転率の高さを気にしてはいけない。気にしてはいけないというよりも、むしろ売買回転率の高さを「気に入っている」人がHDVに手を出した方が良いかなと感じます。

いずれにせよHDVは万人向けとは決して言えないスマートベータです。玄人向けというよりも、オタク向けというか変態向けのETFな気がします。

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~