ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。
2018年10月頃からNASDAQ市場が崩れ始め、アマゾン(AMZN)やエヌビディア(NVDA)といった大人気グロース株が叩き売られています。
そのためバリュー派や高配当派の投資ブロガーからは「グロース派ざまあwwwww」と煽られる始末ですが、これはプロレスやラップバトルみたいなものですので、真に受けて怒る必要はありません。いつものことです。
さて、ほえタコのポートフォリオはHDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)100%です。無配グロース株投資とは対極的な投資をしています。
しかしながら、私はグロース株投資を否定するつもりはまったくなく、むしろ「米国グロース株ETFへの長期投資は合理的である」とさえ考えています。自分の投資法を否定するようで矛盾していますが、これには理由があります。
税金は高配当株投資のパフォーマンスを確実に落とす
私のような高配当株投資家の最大の敵は、配当所得にかかる税金です。
米国株の配当は、受け取るときにまず米国の所得税10%が源泉徴収で差し引かれ、そこからさらに日本の所得税20.315%が追加で差し引かれます。
つまり年間10万円の配当金を受領する場合、そのうち28,283円が税金で取られてしまい、手元には71,717円しか残らないということです。ざっくりと30%近くが税金で取られてしまうのですね。
配当金再投資を加味すると、配当利回りが高ければ高いほど税金による影響を多く受けます。
ティッカー | 分配利回り(%) | 配当から引かれる税金 |
---|---|---|
HDV | 3.46 | 9,785円 |
VYM | 3.01 | 8,513円 |
VTI | 1.86 | 5,260円 |
VUG | 1.21 | 3,422円 |
上図は100万円分を投資した場合に、年間配当金にかかる税金を比較しています。
※本来はドル建て表記にすべきですが、イメージしやすくするためあえて円換算表記としています。(目安)
ティッカーはそれぞれ
- HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF)
- VYM(バンガード米国高配当株式ETF)
- VTI(バンガードトータルストックマーケットETF)
- VUG(バンガード米国グロースETF)
となります。
悲しいことに私が投資しているHDVがもっとも取られる税金が多く、分配利回りの低いVUG(バンガード米国グロースETF)との差額は6,363円(0.6363%)となります。
つまり高配当のHDVよりも低配当のVUGの方が、年間約0.6%程度有利に配当金再投資ができるというわけですね。
ただし、配当金を出さないグロース株はその分、株価がより値上がりするはずです。したがって売却時の利益にかかる譲渡益税は「低配当株 > 高配当株」と逆転します。インカムゲインとキャピタルゲインにかかる税金を合算すれば、両者にそこまでの差は生まれません。
とはいえ、無配 or 低配当グロース株投資では「発生する税金を未来に繰り延べることで、その分だけ有利に資産を運用できる」点において優位性があります。
米国グロース株ETFへの長期投資が合理的であるとする理由は、この1点に尽きます。
VUG(グロース)vs VTI(市場平均)vs VYM(高配当)
ところで株式の配当金や譲渡益にかかる国内税率は、2013年までは10%でした。それが2014年から20%に引き上げられ、将来的には25%にさらに上げようとする増税案も検討されています。(今回は見送られましたが)
配当金にかかる税率が上がれば上がるほど、高配当株投資家は不利になります。
上図は「配当金再投資」をおこなった場合の
- 青線:VUG(バンガード米国グロースETF)
- 赤線:VTI(バンガードトータルストックマーケットETF)
- 黄線:VYM(バンガード米国高配当株式ETF)
のパフォーマンスグラフです。ただし配当金にかかる税金は考慮されていません。
2007~2018年までの期間の年平均成長率はそれぞれ
- VUG(グロース):+9.53%
- VTI(市場平均):+8.02%
- VYM(高配当):+7.33%
となっています。
VUG と VYMの年平均成長率の差は 2.20%ですね。2007年に1万ドル分投資していた場合のパフォーマンス差は、6,264ドルです。
ただ、この10年間はたまたまグロース株にとって好調な時期であっただけであり、配当金再投資込みであれば、両者のどちらが有利不利とは考えていません。
ここで問題としたいのは税金の影響です。
極端な例として「配当にかかる税率が100%になって、配当金をすべて没収されてしまう場合」を考えてみます。配当金再投資ができないケースでは、先程のパフォーマンスグラフはこのようになります。
配当金再投資ができない場合の、同期間の年平均成長率はそれぞれ
- VUG(グロース):+8.16%
- VTI(市場平均):+5.93%
- VYM(高配当):+4.11%
となります。
VUG と VYMの年平均成長率の差が 2.20% → 4.05% と大幅に広がっています。
2007年に1万ドル分投資していた場合のパフォーマンス差は、6,264ドル → 9,208ドルに拡大します。
すなわち、配当金にかかる税率が上がれば上がるほどグロース株は相対的に有利になり、高配当株は相対的に不利になる、ということです。
ほえタコはどうして高配当株ETFに投資しているのか?
将来的に金融所得への課税が強化されてしまうと、高配当株への投資は理論上は必ず不利になります。
しかしながら、ほえタコのポートフォリオはHDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF)100%です。
この記事の主張と矛盾していますし、ほえタコは馬鹿なのでしょうか。
これについては

上の記事に書いたので詳しくはそちらを読んでいただけると嬉しいのですが、端的に言えば私が高配当株投資をするのはメンタル上の問題です。
無配グロース株で含み損を抱えるよりも高配当優良株で含み損を抱える方が、損失額は同じでも精神的に「楽」ということですね。
それに加えて、ほえタコはそんなにお金持ちではないので、今のところはHDVをすべて一般NISA枠に放り込んでいます。したがって配当金に対して国内の税金がかかりません。NISAには期限があるものの、現時点では税金による影響を無視できます。
税金のことを考えるとたしかに頭が痛くなります。しかし高配当株投資には高配当株投資の良さがあります。それはそれ、これはこれ、と割り切り、自信を持って積立投資をすることです。
一方で、ここ最近の相場では勢いを失っているグロース株投資ですが、税金のことを考えると理論上は有利ですし、合理的な投資法だと思います。
VUG(バンガード米国グロースETF)は経費率が 0.05 %と大変安く、「経費率 + 分配金にかかる税金」を加味しても優位な投資ができる、素晴らしいETFだと思います。長期的にも市場平均をアウトパフォームできる可能性は十分にあります。
周囲の声に流されず、自分の信じる道を進みましょう。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~。