ほえほえ^~、どうも、100円BIGを月に1回買うのが趣味のほえタコです。
さて、「最も経済合理的な宝くじの買い方を紹介しますよ」と言おうものなら、まず真っ先に「宝くじを買うこと自体が経済合理的ではないだろ!」という先制パンチが飛んできます。まずはこのパンチを受け止めなければいけません。
大前提として、宝くじは買えば買うほど金銭的には損をするギャンブルです。
例えばドリームジャンボ宝くじの還元率は約50%で、くじ1枚当たりの期待値は約150円です。くじを1000万円分購入したならば、極めて高い確率で500万円は損をします。宝くじが「マイナスサムゲーム」と言われるゆえんですね。
加えて、宝くじの「当選確率」はほぼほぼ無視してしまって差し支えありません。
ドリームジャンボ宝くじで1等が当たる確率は 1,000万分の1 です。
これは乗った飛行機が墜落して死ぬ確率よりも、雷に打たれて死ぬ確率よりも、ずっと低いです。つまりふつうの人生のなかでは起こり得ない、実質的に確率ゼロとみなしてなんら不都合は生じません。
「偶発的に雷に打たれて死んだら 10億円が貰える生命保険」があったとしても、バカバカしくて誰も加入しないでしょう。それと同じように、宝くじを買うことは決して経済合理的とは言えないのです。
異議あり!
さて、前置きが長くなりました。
ここまでの論調に反撃を加えつつ、合理的な宝くじの買い方を考えていきます。
落雷で死んだら10億円貰える生命保険の価値
例えば「10年以内に雷に打たれて死んだら10億円が支給される生命保険(1口 300円)」があると仮定しましょう。
先程はこんな保険はバカバカしくて誰も加入しないと述べましたが、私だったら加入してしまいます。
なぜなら、高い心理的効用を期待できるからです。
もしそんな面白い生命保険があるのなら、加入するだけで話のネタに使えます。
「俺、じつは雷に打たれて死んだら10億円が貰える生命保険に入っているんだぜ」と言いながら保険証券を見せたら一発芸的にウケるかもしれませんし、保険金の受取人を友人にしておけば好感度UP(?)に繋がるかもしれません。
なにより、憂鬱な雨の日が少しだけ楽しくなるじゃないですか。遠くで轟く雷鳴を聞きながら、雨傘に隠した顔でほくそ笑むことができるわけです。
1口 300円程度であれば、それだけで十分元は取れるでしょう。なぜなら、買っているのは「心理的効用」であるからです。
宝くじも同じように、人々が買っているものの本質は「当選金額×当選確率」ではなく「心理的効用」と考えられます。もっとわかりやすく言えば、宝くじで買っているのは《夢》なんですね。
すなわち、経済合理的な宝くじの買い方とは「最小のコストで最大の心理的効用を得る買い方である」と定義できます。
宝くじは 1口のみ買うべし
ドリームジャンボ宝くじでもBIGでもロト6でも何でも良いのですが、宝くじの合理的な買い方とは「1口のみ」買うことです。この理由は以下のグラフで説明がつきます。
1口300円の宝くじを10口購入すると、当然ながら支払いコストと当選確率は10倍になります。しかし冒頭で述べたとおり、ドリームジャンボ宝くじで1等が当たる確率は落雷で死ぬ確率よりもずっと低く、当選確率が10倍になろうが20倍になろうが限りなくゼロです。
ここで考えるべきなのは「宝くじ支払いコストと当選確率が10倍になっても、心理的効用は10倍にならない」ということです。
宝くじを1枚買って見られる夢と、10枚買って見られる夢とで、大きな差異が生ずるものとは考えにくいです。それどころか、仮に宝くじを100口も大人買いしてしまうと、負けたときの損失感が大きくなり、心理的効用は低減します。
「3万円もあればちょっとした日帰り旅行にでも行けただろうに、宝くじで無駄にしてしまった」というショックが、夢を上回ってしまいます。
行動経済学者、ダニエル・カーネマンが提唱するプロスペクト理論のなかに「損失回避性」と呼ばれる人間特有の心理バイアスがあります。利得と損失が同量であれば、人間は《利得の喜び》よりも《損失の痛み》の方をより大きく感じます。
宝くじはたくさん買えば買うほど確定された損失が積み上がりますから、損失回避バイアスにより「こんなに買ったのにまた当たらなかった」という憂鬱感が、夢見る楽しさよりもずっと大きくなる危険性があるわけです。
人間の不合理性を受け入れる行動経済学においても、宝くじを複数口購入するのは正しい判断とは言えません。心理的効用を考えると、宝くじは1口だけ買うのが最もコストパフォーマンスに優れます。
100円BIGが最適解か
「100円BIG」は1等当選金額が約1億円と少なめですが、1口100円で買えるお手軽なくじです。(キャリーオーバー発生時は最高当選金額が2億円になります)
心理的効用を考えると、100円BIGは宝くじのなかでは一番コスパが良いと言えるかもしれません。
サッカーくじには
- mini BIG(1口200円/最高当選約100万円)
- BIG 1000(1口200円/最高当選約1,000万円)
- 100円 BIG(1口100円/最高当選約1億円/キャリーオーバー時2億円)
- BIG(1口300円/最高当選約3億円/キャリーオーバー時6億円)
の4種類があります。
それぞれ当選確率に差異はあるものの、ここでは考えません。当選確率が10倍になろうが50倍になろうが、1等が当たる確率は限りなくゼロに近いからです。
重要なのは「当選金額が3倍になっても、心理的効用が3倍になるわけではない」ということです。
宇宙旅行が夢の人であれば最高6億円が当たるBIGを買うのが最善ですが、世界一周旅行程度の夢であれば最高2億円の100円BIGで十分と言えます。
その人の持つ夢次第ではあるものの、多くの人々にとって当選金額が2億円から6億円に上がったところで、見られる夢はそんなに変わらない。例えるならば「ハンバーガーを2個食べると1個食べたときよりも摂取カロリーは2倍になるが、満足感が2倍になるわけではない」という話です。
逆に、200円で最高当選金額100万円のmini BIGではたいして大きな夢を見ることができず、心理的効用に対するコスパが悪いと言えます。
mini BIGの1等当選確率は「約2万分の1」ですから、BIGの「約480万分の1」と比べると圧倒的に当たりやすそうに思えます。
しかし2万分の1と言えば、およそ630日間のうちに交通事故で亡くなる確率と同じくらいですから、滅多に起こらないことに変わりはありません。ちなみに麻雀だと1局のうちに三槓子(サンカンツ)が出る確率と同じです。清澄高校の宮永咲さんレベルの強運が必要ということですね。
BIGの当選確率「約480万分の1」を見たあとにmini BIGの「約2万分の1」を見て、これなら自分も当たるかも!と感じてしまう。これが行動経済学でいうところの「アンカリング効果」と呼ばれるもので、比較対象によって人間の価値判断に歪みが生じる典型例です。
結論を述べると、最小のコストで最大の心理的効用を得る宝くじの買い方は「100円BIGを1口のみ購入する」がベストとなります。
ちなみに「楽天toto」からの購入であれば、ポイント還元分を加味して100円BIGが実質99円で手に入ります。もし楽天市場や楽天モバイルを日頃から使っている人であれば、ポイント分でBIGを購入できます。
この記事執筆時点では「楽天totoで初めてくじ購入された方にもれなく100円BIG 1口をプレゼント!」のキャンペーンをやっており、ちょっと得した感を味わえます。
(参考:楽天toto キャンペーンページ)
楽天totoではこの他にも「くじ合計金額が4,000円以上で現金3万円が当たる!」「おまかせBIG定期購入金額合計6,000円以上で現金7万円が当たる!」といったキャンペーンが定期的に開催されています。
もちろん、賢明な読者の方はこの手のキャンペーンにはくれぐれも惑わされないように気をつけてくださいね。
前述のとおり、宝くじは購入口数が増えれば増えるほど理論上の損失額が大きくなりますし、得られる心理的効用が逓減します。キャンペーン応募のために6千円もBIGを購入するのは合理的な選択ではありません。
夢を買うのに、100円もあれば十分です。
投資も買い物も宝くじも、最小のコストで自身の心理的効用を最大化させるよう意識することが成功の秘訣です。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~