ほえほえ^~、どうも、米国株投資家のほえタコです。
2019年3月1日にカルビーがポテトチップスを値上げするニュースが出て話題になりましたね。
これまでは価格をそのままに内容量を減らすことで「見えない値上げ」をおこなうシュリンクフレーション(shrinkflation)を食品業界は進めてきました。しかしシュリンクフレーションにもついに限界が来て、本格的な物価高を実感せざるを得ない状況となりました。
ポテチの他にも、アイスクリーム・サバ缶・カップ麺・大型ペットボトル飲料・ちくわ・ソーセージなど、いろんな食品が値上げされていっています。消費税の増税も控えていますから、庶民には大きな打撃となります。
これが経済成長を伴うインフレであれば物価が上がるのは問題ないのですが、景気が後退し低賃金労働が横行するなかでの物価高は地獄です。
不況下において「賃金は下がる一方なのに物価上昇が止まらなくなる」恐ろしい状態となるのがスタグフレーション(stagflation)です。
ここではアベノミクスの成否は論じません。
日本全体の景気を論じる前に重要なのは、今この記事を書いている私自身、そして今この記事を読んでいるあなた自身の所得がどのように推移しているかです。まずは「個人の問題」を考えるのが先決です。
自己資本を最大化させるのが最優先課題
格差拡大社会では、ウィナーズ(勝ち組)とルーザーズ(負け組)が鮮明に分かれます。
ウィナーズは収入がどんどん上がって「良いインフレ」を実感する一方で、ルーザーズは低賃金で働かされ「地獄のスタグフレーション」に喘ぎ苦しむ。そういった天国と地獄が共存する社会は当然に考え得るでしょう。
悲しいことに私自身は、かなり負け組側の人間です。でも悲観はしないことです。
個人としてスタグフレーションに備える方策は、以下の3つに分けられます。
- 収入を増やす(自分自身の市場価値を上げる)
- 支出を減らす(節約や自給自足)
- 資産を運用する(投資)
金融資産がよほどある人であれば投資によって物価上昇に備えれば良いのですが、そうでない人にとって最優先は「1.収入を増やす(自分自身の市場価値を上げる)」に尽きます。
スタグフレーションになっても、自分の収入がそれ以上に増えていれば問題ないわけですからね。
会社の給与が一向に上がらないのであれば、自分の転職市場価値を上げてより良い会社に転職できるようにする――そのための自己投資が必要です。
私自身の話をしましょう。
私は個人事業でWeb制作をやっているフリーランスです。アルバイトを掛け持ちして収入を補っています。当然ながら将来への不安はめちゃくちゃ大きいです。
自己投資としては「英語」「プログラミング」「イラストレーション」の3つを勉強しています。この3つと現在持っているWeb制作関連の知識を組み合わせれば、海外市場に向けたビジネスを展開でき、一気に成功の可能性が広がるからです。
国際市場において価値のある存在となることに、私は注力しています。
米国株投資による資産防衛
「3.資産を運用する(投資)」は、基本的には米国株への投資が最適解だと考えています。
私はHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)を通じて米国株に投資しています。
HDVは米国株のなかでも「エネルギー・生活必需品・ヘルスケア」のセクター比重が高いETFで、スタグフレーション耐性はS&P500以上に高い(はず)です。
例えば1970年代に米国を襲ったスタグフレーションの一因は、オイルショックで石油価格が高騰し物価高に陥ったことが挙げられます。このときに株価を大きく伸ばしたのが石油メジャーのエクソンモービル(XOM)でした。
HDVにはエクソンモービルをはじめとするエネルギーセクター企業が20%含まれます。
今でこそ株価は低迷していますが「原油高 → 物価高騰」のコンボが起こったときには心強いのがエネルギーセクターです。
また、生活必需品セクターは不況耐性があります。景気が悪くなってもトイレットペーパーを買い控えることはできないからですね。
例えばHDVの主要銘柄であるP&G(PG)は70年台の米国不況下において株価が低迷しましたが、それでもインフレ(物価上昇)にはついていっていました。すなわち「スタグフレーション時の資産防衛」の観点から見れば、生活必需品セクターは優秀です。
J&J(JNJ)のようなヘルスケアセクターも景気動向には影響されづらいです。
あとは戦争に伴う物価高&不況リスクまで考えるのであれば、ロッキード マーチン(LMT)のような軍需銘柄を保険として持っておくのも悪くないです。ロッキード・マーチンも現時点ではHDVの構成銘柄に入っています。
超円安に備える
米国株に投資するもうひとつのメリットは、円安が進みすぎた場合のリスクに備えられることです。
すでに始まりつつあるEV(電気自動車)革命で、出遅れたトヨタは相当な危機感を募らせています。「生きるか死ぬかの戦いだ」と社長自身が発言するくらいです。仮にトヨタが死んでしまった場合には大変なことになります。
日本の自動車産業が衰退するのであれば円安メリットを享受できる企業が激減し、輸入物価高騰のマイナスダメージだけが伸し掛かります。金融政策で円安を主導したものの企業収益は上がらず不況に入り、失業者の溢れるなかで物価だけが上昇する最悪のパターンです。
実際に起こりうるかはどうであれ、ハイパーインフレを心配する人は日本の財政危機で国債が暴落し急激な円安が進み、物価上昇が止まらなくなる事態を危惧しています。
超円安に備えてドルを持っておけ、ということですね。
無論、今後10年以内に「超円安」になるか、あるいは正反対に「超円高」になるか予想はつきません。それができたらFXで大儲けしています。
ブラック・スワンは予測できないからこそブラック・スワンなのであり、予測すること自体にさしたる価値はありません。問題は「予測外」の事態に対する備えがあるかどうかなのです。
ゴールドは持つべきか
米国株投資家は「長期的にはドル高円安が進むだろう」と考える人が多いです。
しかしこれはポジショントークでもあり、ドル安円高タイプの金融危機に備えるならば米国株に加えて「ゴールド(金)」をアセットアロケーションに加えるのが良いと私は考えています。
青線:米国株市場平均 / 赤線:米国株50% + ゴールド50% / 黄線:ゴールド
図はドル建て(インフレ調整済み)の長期パフォーマンスです。
米国株とゴールドを50%ずつ半々で持ち毎年リバランスする赤線のポートフォリオが予想外に健闘しています。
最大下落率・最低年パフォーマンス・標準偏差・シャープレシオのいずれの指標を見ても、米国株とゴールドを合わせて持つ場合が最もリスクあたりのリターン効率に優れています。
(参考:Backtest Portfolio Asset Class Allocation)
ボラティリティ(リスク)を抑えた資産運用を目指すならば、米国株市場と逆相関性のあるゴールドを組み入れることは悪くない戦略です。
まとめると、私ならばスタグフレーションに備えるために
- エネルギー・生活必需品・ヘルスケアセクターを中心とした米国優良株(HDV)
- ゴールド(金)
の2つをバランスを取りつつ保有すると思います。
ただ、実際にはゴールドには投資していません。
ゴールドに投資するほどの金融資産がないため、日本円現金の保有比率を多めに取ることによってドル安リスクを調整しています。短期(向こう1年)は「円高」方向で予測しています。
話が長くなってしまいましたね。
ほんと身も蓋もない話ですが、いかにして今後10年、20年後の自分の収入を上げていくか。日本が大不況に陥っても職を失わないようにするか。どうやって勝ち組にのし上がるか。
「自己資本を最大化させること」が、ひとまずは最も大きな課題であると私は感じています。
どのような情勢下でも、決して希望を失わず、前向きに研鑽に努めたいです。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~