SPDR S&P500高配当株式ETF(SPYD)はユニークな戦略のETF

ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。

今日は SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)の分析をしていきます。このETFはかなりの変わり種で、めちゃ面白い商品やなと思って以前から注目していました。

SPYDがベンチマークとするのは「S&P® 500 High Dividend Index」です。S&P 500 の高配当トップ80社に均等加重で分散投資します。

VYMのように時価総額加重平均を使ったり、あるいはHDVのように配当の持続可能性やデフォルト懸念で企業をスクリーニングしたりすることはありません。ただ純粋に「高配当企業に均等に分散投資する」のがSPYDの特徴です。

その結果として、SPYDは分配利回りが 4.27% と非常に高配当です。またセクター比率には大きな偏りが見られます。

SPYDのセクターの偏り

SPYDの保有セクターは「不動産」と「公益事業」でおよそ半数を占めます。

18年11月現在は以下のセクター比率となっています。

セクター保有割合(%)
不動産24.49
公益事業21.73
一般消費財10.95
生活必需品9.09
エネルギー8.19
情報技術5.81
金融5.76
コミュニケーション5.33
ヘルスケア4.09
資本財2.36
素材2.20

ご覧のとおり「不動産」と「公益事業」とで全体の 46.22% を占めています。

したがってSPYDへの投資は、米国高配当株式に投資するというよりかは、米国不動産と米国公益事業セクターに投資するといった意味合いが強いです。

ちなみに一般論として、不動産セクターはインフレに強く、公益事業セクターはデフレと景気後退に強いです。ただ、両者とも金利上昇には弱いです。

景気後退局面においてSPYDがどの程度のディフェンシブ性を発揮するかは未知数です。ただ米国市場平均との相関性は過去3年間で 0.75 とそこそこ低く、ポートフォリオの一部に組み入れることでリスク分散には繋がるかと思います。

意外と悪くないパフォーマンス

SPYDは設定が2015年10月と新米のETFで、パフォーマンス比較といっても過去3年分しかできません、

青線:SPYD赤線:S&P 500(市場平均)

過去3年間の「配当金再投資込み」のパフォーマンスでは意外なことに大健闘しており、なんとS&P 500(市場平均)とほぼ互角です。

16年1月〜18年10月までの年平均成長率はSPYDが12.86%、S&P 500が12.60%です。

なんとSPYDは僅差ながら市場平均に勝っているのです!!!

これは正直に言ってめちゃくちゃ驚きました。

時価総額加重平均で約400社に投資する VYM(バンガード米国高配当株式ETF)や厳選された超優良高配当銘柄を集めたHDV(iシェアーズ コア 米国高配当株 ETF)は市場平均に負けています。

それなのに、高配当銘柄に単純に均等配分投資しただけの、それも不動産と公益事業セクターが大半のSPYDが市場平均に勝っている!? FANGや大人気の情報技術セクター企業も含まれていないのに!!!

ば、馬鹿な……信じられないぜ……といった感じです。

そしてSPYDにはもうひとつ驚くべきことがあります。

青線:SPYD赤線:IYR(米国不動産)/ 黄線:VPU(公益事業セクター平均) / 緑線:S&P 500

上のチャートのとおり、SPYDは、IYR(iシェアーズ米国不動産ETF)やVPU(バンガード米国公益事業セクターETF)をアウトパフォームしているのです。

これがどういうことかというと、高配当ETFも米国不動産(リート)も公益事業セクターもすべて市場平均に負けているのに、どういうわけか「高配当×不動産×公益事業」の3要素を掛け合わせたSPYDだけが市場平均に勝っている、という不思議な結果なのです。

もっとも、たった3年間のパフォーマンスですから、これをもってSPYDはすごい!と言う気はさらさらありません。ただ、SPYDの「高配当均等分散」戦略は思いのほか馬鹿にはできない、ダークホース感があります。

SPYDは競合ETFよりも経費率において有利

SPYDの経費率は 0.07% です。

これはSPYDの競合となり得るどのETFよりも安い経費率です。

SBI証券の銘柄情報では経費率が 0.08% と記載されていますが、これは古い情報で18年11月現在は 0.07% が正確な情報です。

SPYDの最新情報についてはステート・ストリート社の公式サイト(https://us.spdrs.com/en/etf/spdr-portfolio-sp-500-high-dividend-etf-SPYD)で確認できます。

すでに述べたとおり「高配当 × 公益事業 × 不動産」の3要素を併せ持つ SPYD は、高配当ETFである VYM や HDV 、公益事業セクターETFである XLU や VPU 、米国不動産ETFである IYR が競合対象になり得ます。

下の表は各ETFの18年11月現在の経費率・分配利回りをまとめたものです。

分類ティッカー経費率(%)分配利回り(%)
高配当+公益+不動産SPYD0.074.27
高配当VYM0.083.05
高配当HDV0.083.53
公益事業XLU0.143.33
公益事業VPU0.103.06
不動産IYR0.433.81

ご覧のとおり、SPYDは競合ETFのなかで最も経費率が安く、かつ分配利回りが高いです。インカムゲインを主軸とした分散投資がしたい方にとって、SPYD はなかなか魅力的な商品であると言えそうです。

特筆すべきは IYR(iシェアーズ 米国不動産 ETF)との差でしょうか。IYRはダウジョーンズ米国不動産指数に投資できる優良ETFで、WealthNavi(ウェルスナビ)にも採用されています。しかし信託報酬が 0.43% とやや高いのがネックです。

SPYDとIYRの経費率の差は 0.36% となり、仮に100万円分運用するのであれば年間 3,600円ほどSPYDの方が有利になります。SPYDに含まれる不動産セクターの比率は24%ですが「米国不動産を少しだけポートフォリオに加えたい」需要は満たすことができます。

もっともSPYDは高配当である分、分配金にかかる税金の影響が大きく、経費率が安くてもそちらでパフォーマンスを落とす可能性はあります。できることならNISA口座の方に入れておきたい銘柄ですね。

SPYDの投資判断

SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)ですが、ポートフォリオのサテライトとして加えるならば大変「面白い」銘柄だと思います。

10年後、20年度のSPYDのパフォーマンスがどのようになっているか、ものすごく興味があります。

S&P 500 や VTI をコアに積立投資するのが私の考える最善手ですが「ポートフォリオに刺激が欲しい!」という場合にはSPYDを加えることで彩りが出るでしょう。カレーに入れる隠し味のようなものです。

ちなみに私、ほえタコは HDV(iシェアーズ コア 米国高配当株 ETF)に100%全力投資していますが、SPYDを自分のポートフォリオに加える予定はありません。

これは何故かと言うと、HDV と SPYD を一緒に持ってしまうと、HDVの「厳選された超優良高配当銘柄のみに投資する」というコンセプトが打ち消されてしまうからです。

SPYDは良くも悪くもトリッキーな戦略を持ったETFです。

「自分の投資理念に合致するかどうか」をよくよく考えた上で、ポートフォリオに組み入れるかどうかの判断をされることをおすすめします。

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~

【この記事の続編】→ SPYDにはやっぱり捨てがたい魅力がある(VYM・HDVとの比較考察)