ほえほえ^~、メリークリスマス、今日も独りぼっちなほえタコです。
以前の記事にてご紹介したSPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)ですが、やはりこの高配当ETFはかなり面白いなという話です。

上の過去記事にて、私はSPYDの投資判断についてこのように書いていました。
ちなみに私、ほえタコは HDV(iシェアーズ コア 米国高配当株 ETF)に100%全力投資していますが、SPYDを自分のポートフォリオに加える予定はありません。
これは何故かと言うと、HDV と SPYD を一緒に持ってしまうと、HDVの「厳選された超優良高配当銘柄のみに投資する」というコンセプトが打ち消されてしまうからです。
SPYDは良くも悪くもトリッキーな戦略を持ったETFです。
この考え自体は変わるものではありませんが、ただ一言述べるならば
やっぱりSPYD、欲しい!
と思います。
実際にポートフォリオに加えるかどうかはさておいて、もしSPYDが市場平均以上に叩き売られることがあれば拾ってみたい。そんな銘柄です。
SPYDの最大の魅力とは何なのか
SPYDの特徴はいろいろあります。
- 経費率が0.07%で安い
- 分配利回りが4.27%と他の高配当ETFよりも高かった
- 不動産と公益事業セクターの割合が大きい
でもそんなことじゃないんです、SPYDの魅力は。
私が最も興味をそそられるところは
SPYDは国内証券会社で購入できる、数少ない「イコールウェイト(均等加重)」指数に連動するETFである
点にあります。
米国株式市場では過去のパフォーマンスを見る限り「時価総額加重平均方式の指数」よりも「均等加重方式の指数」の方が成績が良いことが知られています。
- 青:RSP(Invesco S&P 500 Equal Weight ETF)
- 赤:SPY(SPDR S&P 500 ETF)
例えば同じS&P500銘柄に投資するのであっても、時価総額加重平均型のSPYより均等加重のRSPの方が14年間でのトータルパフォーマンスが40%も良いです。
RSPもSPYも投資銘柄は同じですが、比重が異なることによって投資スタイルがだいぶ変わってきます。
SPYでは時価総額の大きいアマゾン、アップル、アルファベット、フェイスブックあたりが大きなウェイトを占めますから、必然的に「大型グロース株」の影響が強く出ます。
対してRSPは均等加重ですから、時価総額加重平均の指数と比べると「中型株」の割合が大きくなります。(※S&P500自体が大型株の集まりですが、そのなかの時価総額下位銘柄という意味での中型株です。)
したがって少なくとも2004年から現在まででは、小型株効果ならぬ中型株効果があり、S&P時価総額下位軍団の成長が著しかったのでしょう。
また、2018年に入ってからFANG(時価総額上位組)が軒並み急落しています。このマイナス影響も当然ながら時価総額加重平均型の指数の方が強く影響を受けます。(もっとも今の相場はFANGに限らず中型株も小型株も軒並み下げているのであまり関係ないです)
なんにせよ、同じ銘柄に投資するのでも時価総額加重と均等加重とでは趣きが違うということですね。
S&P500銘柄に均等加重で投資できるRSP(Invesco S&P 500 Equal Weight ETF)は残念ながら、国内証券会社では今の所取り扱いがありません。
均等加重タイプで買えるのはすでに述べたとおりSPYDくらいしかないです。ゆえに魅力的なのです。
見えてきた高配当ETFの特色の違い
しばしば米国高配当株ETFで比較対象とされるSPYDとHDVとVYM。それぞれの特色の違いを表にまとめるとこうなります。
ティッカー | VYM | HDV | SPYD |
---|---|---|---|
銘柄名 | バンガード米国高配当株式ETF | iシェアーズ コア米国高配当株 ETF | SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF |
経費率 | 0.08% | 0.08% | 0.07% |
分配利回り | 3.45% | 3.74% | 4.80% |
銘柄選別方法 | 大型株の配当利回り上位50% | 経済的な堀 × 財務健全性 × 高配当 | S&P500の配当利回り上位80銘柄 |
配分方法 | 時価総額加重 | 配当加重 | 均等加重 |
トップセクター | 金融・生活必需品 | エネルギー・生活必需品・ヘルスケア | 不動産(REIT)・公益事業 |
大型株の割合 | 88.7% | 95.5% | 61.9% |
過去3年間のパフォーマンス
※2016~18年 ※配当再投資込み |
+40.33% | +38.33% | +45.84% |
各高配当ETFの私としての感想を一言で語るならば
SPYD = 配当利回りが高い銘柄に無差別に均等配分で投資する。とはいえS&P500銘柄で構成されるので、時価総額61億ドル以上かつ四半期連続で黒字の要件を満たす企業のみに絞られる。前二者と違い、不動産(REIT)が含まれているのが大きな特徴。セクターは不動産と公益事業に大きく偏る。
長期的なパフォーマンスで市場平均に勝つか負けるか、まったく予想できない。それゆえにダークホース感があり、とても面白い。
VYMは良くも悪くも個性がなくて、VYMに投資するくらいなら素直に市場平均(S&P500)を買うのでいいんじゃないの?と思わなくもありません。分配利回りがそこまで高くありませんから、インカムによる《心理的効用》は薄れます。優秀であることは認めるものの、今ひとつ面白みに欠ける印象があります。
イメージとしては「何でもそつなくこなす優等生」といった感じです。
HDVは「優良高配当銘柄を集めるんだ!」というコンセプトは素晴らしくて、これぞスマートベータ系ETF!といった感じです。事業上の強みを持ち、財務が健全で、かつ高配当な企業を集めたETFですから、保有による《心理的効用》が高いと言えます。
しかしながら過去パフォーマンスでは市場平均はもちろんVYMにもSPYDにも負けています。
イメージとしては「ドジっ子な秀才」といった感じです。
SPYDはセクターが偏りすぎていますので、少なくともポートフォリオのコアにはならない。しかしながら、めちゃくちゃ面白いスマートベータだと思います。配当利回り上位80社に均等配分で投資するというじつに安直なやり方ですが、それゆえに時価総額加重型の高配当ETFを出し抜けるのではという期待があります。
実際、過去パフォーマンスではHDVにもVYMにも勝っています。市場平均にさえ勝っています。
イメージとしては「秘めたるオーラを放つ奇人」といったところです。
悩むのであればVYMとHDVとSPYDに均等に投資するのも一案だと思います。ただ、私としてはポートフォリオ全体で各々のETFの個性を打ち消し合うのが好きではないため、現状はHDV100%のポートフォリオを維持しています。
最終的にVYMかHDVかSPYDか、どれを選ぶかは投資家の《心理的効用》次第だと思います。話が長くなってしまったので続きは今度に回しましょう。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~
【この記事の続編】→ スマートベータ系ETFの分散投資で「個性が失われる」問題について