ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。
私は現在、HDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)100%のポートフォリオで資産を運用しています。HDV自体は今でも気に入っているETFですし、売却予定もありません。
しかし運用資金が大きくなってくると、どうしてもHDV単騎に全力投資するのは、それはそれで保有時の心理的効用を落としかねないなと考えるようになってきました。
そこで今年はSPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)をNISAで買い付けていくことに決めました。
今年の目標ポートフォリオとしては、HDV 70%、SPYD 30%くらいの比率を目指していきます。
SPYDへの投資を決めた理由を下記に5つ記します。
1.SPYDは屈指の「バリュー投資」米国株ETFである
SPYDは「高配当」のほうにフォーカスが行ってしまいがちですが、それ以上に目を向けるべきは「バリュー」のほうです。米国株に投資するETFのなかでは、おそらくSPYDがもっともバリューです。
データを見てみましょう。
ティッカー | PER | PBR | PSR | PCFR |
---|---|---|---|---|
QQQ(ナスダック) | 23.35 | 6.05 | 3.88 | 14.73 |
SPY(S&P500) | 18.75 | 3.47 | 2.34 | 10.33 |
DIA(NYダウ) | 17.11 | 3.82 | 2.14 | 12.73 |
VYM(高配当) | 15.12 | 2.39 | 1.68 | 7.11 |
HDV(高配当) | 15.34 | 2.35 | 1.88 | 9.06 |
VTV(バリュー) | 15.28 | 2.27 | 1.59 | 7.18 |
VOOV(バリュー) | 15.89 | 2.37 | 1.53 | 7.23 |
SPYD | 14.03 | 1.69 | 1.01 | 6.77 |
用語の解説をしますと、
- PER(株価収益率)=株価/1株あたり当期純利益(EPS)
つまり利益基準で株価が割安であるか - PBR(株価純資産倍率)=株価/1株あたり当期純資産(BPS)
つまり純資産基準で株価が割安であるか - PSR(株価売上高倍率)=株価/1株あたり年間売上高
つまり売上高基準で株価が割安であるか - PCFR(株価キャッシュフロー倍率)=株価/1株あたりキャッシュフロー
つまり収益力基準で株価が割安であるか
これらのバリュー系指標は、倍率が小さければ小さいほど株価が割安であり、倍率が高いほど割高と判断されます。
表から一目瞭然な通り、SPYDは最もバリュー度が高いです。
※なお表中のデータは2020年1月現在のものであり、morningstar.comの情報を参考にしています。
バンガード 米国バリューETF(VTV) や バンガード S&P500バリュー ETF(VOOV) などのバリュー系ETFよりもさらにバリューであり、セクターバランスが気にならないのであればSPYDほど(ある意味)ストイックなバリュー投資ができるETFは無いんじゃないかと思えるほどです。
現在のようなアゲアゲ相場では、QQQ(NASDAQ)やVGT(情報技術セクター)のようなETFに投資をするのは勇気のいることです。場合によってはタイミングを考慮する必要があります。
あくまで指標だけを見た場合、現在のQQQはかなりの割高水準にあります。もちろんバブルとまでは言いません。
SPYDの良いところは、米国株ETFのなかでは最もバリューであるがゆえに「高値掴み」の不安を抱えることなく、どのような相場であったとしても積み立て投資しやすいところです。
2.SPYDは長期的に市場平均に勝てる可能性がある
あえて市場平均以外のものに投資する以上、本当にそれが実現するかどうかはさておいて「市場平均をアウトパフォームする!」希望は無いよりもあったほうが良いでしょう。
その点、SPYDには実績があります。
SPYDは「S&P 500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)」を追跡するETFです。
で、この指数ですがなんと過去10年間でS&P500をアウトパフォームしています。
(出典:S&P 500 High Dividend Index – S&P Dow Jones Indices)
分配金再投資込みですが、年間0.16%市場平均をアウトパフォームしています。
グロース株優位な時期において、バリュー系の指数が市場平均をアウトパフォームするのは、非常に驚きに値します。
ちなみに2009年も期間に含めるならば、パフォーマンス差はさらに2%に開き、S&P 500高配当指数が市場平均をアウトパフォームします。
今後はどうなるか分かりませんが、いずれにせよS&P 500高配当指数を追跡するSPYDは実績から見ても優秀なETFであり、期待が持てます。
3.他の高配当ETFよりも「成長性」がある
最初にPERやPBR等のバリュー指標を用いて「QQQがもっとも割高でSPYDがもっとも割安」といった話をしました。
ではグロース指標を用いたら「QQQがもっとも高成長でSPYDがもっとも低成長」になるのでしょうか。
半分は当たっていますが半分は外れています。データを見てみましょう。
ティッカー | 長期収益成長率 | 過去利益成長率 | 売上高伸び率 | キャッシュフロー成長率 | 自己資本成長率 |
---|---|---|---|---|---|
QQQ(ナスダック) | 11.57 | 23.06 | 13.36 | 18.48 | 7.61 |
SPY(S&P500) | 9.32 | 12.20 | 7.06 | 13.12 | 4.50 |
DIA(NYダウ) | 7.68 | 18.82 | 7.83 | 11.38 | 2.27 |
VYM(高配当) | 7.23 | 10.56 | 4.43 | 8.60 | 3.09 |
HDV(高配当) | 6.15 | 5.66 | 3.77 | 10.63 | 4.77 |
VTV(バリュー) | 7.48 | 8.47 | 5.46 | 8.87 | 2.93 |
VOOV(バリュー) | 8.41 | 8.40 | 6.43 | 9.20 | 3.66 |
SPYD | 6.32 | 12.82 | 4.45 | 3.72 | 3.40 |
こちらもモーニングスターからデータを取ってきています。こちらのグロース指標は数字が大きいほど成長率が高いことを指し示します。
QQQの成長率の高さは目を見張るものであり、この高成長があるからこそ割高であることが許されています。(それがなければただのバブルです)
一方、成長率が最低なのはなんとSPYDではなく、私が現在主力にしているHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)でした。とても悲しいです。
HDVやVYMそれからVOOVやVTVと比較しても、SPYDはグロース指標で上回っています。
つまりバリューでありながらも、成長(値上がり益)の見込めないETFではないということですね。
グロース指標についても簡単に解説を加えます。
- 長期収益成長率(Long-Term Earnings Growth)
アナリストの予測から導き出された、将来にわたっての企業の長期成長予測です。 - 過去利益成長率(Historical Earnings Growth)
ETFの構成銘柄である企業の「1株あたり収益成長率」の加重平均です。 - 売上高伸び率(Sales Growth)
同じく構成銘柄の「会社の1株当たり売上高の増加率」の加重平均です。 - キャッシュフロー成長率(Cash Flow Growth)
同じく構成銘柄の「1株当たりの企業のキャッシュフローの増加率」の加重平均です。 - 自己資本成長率(Book Value Growth)
同じく構成銘柄の「1株当たりの簿価の増加率」の加重平均です。
詳しくはモーニングスター社の「Growth Measures」の記事をご覧ください。
SPYDは「過去利益成長率」ではS&P500をもアウトパフォームしています。
割安であるうえに成長性も捨てていない。しかし市場からは見捨てられて配当利回りが高くなってしまった、そんなダークホース銘柄がSPYDには集まっているのかもしれませんね。
4.NISA口座と相性が良い
NISA(少額投資非課税)口座では、年間120万円まで株式やETFや投資信託を買い付けることができ、5年間にわたって配当金(分配金)にかかるインカム税や、譲渡益にかかるキャピタル税が免除されます。
「NISAにはSPXL(Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF)を入れるのが合理的だ!」みたいな意見もTwitterでは見受けられますが、これは合理的ではなく単なる《賭け》です。
5年後、SPXLが大幅に値上がりしていれば、売却時の譲渡益税が免除され、非課税の恩恵を最大限に受けられます。
しかし5年のうちに下落相場や金融ショック等がありSPXLが大幅に値下がりしてしまっていたら、非課税の恩恵を受けられないどころか、NISA口座から出したときに取得単価を下げられてしまいむしろ税金上の損をしてしまいます。
反面、分配利回りが4.47 %と非常に高配当なSPYDであれば「5年間の国内配当課税が免除される」というNISAの恩恵を確実に得ることができます。
もちろん、金融危機等で大幅な値下がりをしたらSPYDと言えどもキャピタル税では不利になります。
ただ、SPYDは「死ぬまで一生ホールド」してインカムゲインを手に入れ続けることを目的で保有する人も多いでしょうから、売るつもりが本当になければ(運悪く5年後の米国株市場が暴落して)NISA出庫時に取得単価が下がったとしても、気にすることではないでしょう。
以上、今回は他のブログではあまり語られていない観点から、SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)の良いところを4点ご紹介いたしました。
これからも《心理的効用を最大化させる投資》をモットーに、豆腐メンタルな私に優しいポートフォリオを心がけていきたいです。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~