PFF(iシェアーズ米国優先株式ETF)への長期投資は報われるのか

ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。

ほえタコは現在、ポートフォリオの100%をHDV(iシェアーズ コア米国高配当株ETF)で運用しています。これは長期的な値上がり益(キャピタルゲイン)よりも、配当金の増大(インカムゲイン)を期待しているからです。

インカムゲインを最大化させることが、ほえタコの投資目標のひとつです。

ところで、米国ETFのなかで分配利回り5%を超える高配当銘柄として有名なのがPFF(iシェアーズ米国優先株式ETF)です。

18年11月現在のPFFの過去12ヶ月分配金利回りは 5.74% となっており、インカム狙いの投資対象としてはかなり魅力的に映ります。

ただし、PFFを投資対象とした場合に、留意すべき点がいくつかあるのも事実です。

PFFへの分配金再投資でインカムは増大するか?

上図はPFFの過去10年間の価格推移です。

PFFは金融ショック時と米国債利上げ局面では価格が下落(利回りは上昇)する性質があり、2008年のリーマンショック時には大きく価格を下げています。また米利上げ政策の影響で、2018年も価格は下落傾向にあります。

PFFは基本的にキャピタルゲインを狙う性質の銘柄ではなく、「分配金再投資」をしてインカムを増やすことが目標となります

上図は「分配金再投資」を加味したPFFへの投資パフォーマンスグラフです。

PFFの基準価格はヨコヨコでも、分配金再投資をすればこのように右肩上がりで資産が増えていきます。

2008~2018年の10年間の年平均成長率は +5.45% です。

例えば2008年に1万ドルを投資して分配金再投資をおこなった場合、現在では1.77万ドルにまで資産が増えている計算になります。(ただし分配金にかかる税金を考慮しない場合)

PFF自体は、ここ10年では減配傾向にあります。

そのため分配金再投資を行っていない場合では、下図のように手に入るインカムが減っていっています。2008年にPFFへ1万ドル分投資をすれば、当年は年間分配金で665ドル手に入りましたが、9年後の2017年では513ドルしか貰えないということです。

優先株式は性質としては社債に近いです。

低金利&好況時には利回りが低く抑えられます。

分配金は下落傾向でも、分配金再投資をおこなえばインカムは次図のように右肩上がりになります。

1万ドル分をPFFに初期投資し、以降、分配金再投資をした場合でのシミュレーションです。

初期投資額が1万ドルでも、分配金再投資の効果で2017年には年間 974ドルもの分配金が入ってきます。つまり分配利回りが 9.7% にまで上がったことを意味します。なかなか美味しいインカムですね。ただし税金を考慮すると、シミュレーションよりパフォーマンスは落ちます。

グラフをご覧のとおり、たとえ分配金再投資をおこなった場合であっても、前年度よりインカムが減る年があります。これは過去には再投資分を上回るほどの減配があった、ということです。

なんにせよ、分配金再投資によってインカムをどんどん増やしていける!というのはPFFの魅力であると言えます。現在価格も35.46ドルと4千円以下で購入でき、分配金再投資もやりやすいですね。

PFF(優先株式)は社債よりもハイリスク

PFFは「米国優先株式」の名を持つものの、株式というより債券的性質の強い金融商品です。なので比較対象となるのは債券系ETFですが、PFFは iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)の利回りを上回ります。

すなわち、格付が低く信用リスクが高い「ハイイールド社債」よりもさらにリスクが大きいということです。

PFFに組み入れられる優先出資証券は、社債と比べてハイリスクな点が2つあります。

ひとつは償還期日の問題です。債券(社債)であれば「5年後に借りたお金を返しますよ」という償還期日が決まっているのに対して、優先出資証券は償還期日の定めがありません。

すなわち「くくく、借りた金は返す。たしかに返すとは言ったが、それは10年後いや20年後ということもあり得るのだ」といったゲスいことが優先出資証券ではできるわけです。

無論、平常時にそんなことをすれば企業は信用を失い、優先出資証券を買ってくれる投資家がいなくなります。なので平常時は5年以内に償還されます。しかし、リーマンショックのような金融危機時にはどうなることか分かりません。

もうひとつは、弁済の優先順位が社債よりも後回しにされる問題です。

企業が破綻したときの残余財産からの弁済は、優先出資証券では普通社債に劣後します。つまり非常時には投資元本が返ってくる可能性がかなり低くなります。

PFFには300もの優先株式がまとめられているため、一見してリスクは分散されそうです。しかしながらリーマンショック時に世界中の企業が連鎖的に倒産したことを思えば、PFFは金融危機時には滅法弱い資産であると言えるでしょう。

まとめると、PFFは分配金再投資をコツコツと続ければ長期的に報われる公算は高いものの、金融危機時には投資元本を大きく割り込む覚悟が必要である、ということですね。

人間は含み損を抱えたときに、その投資対象が「よくわからないもの」だと大きな不安を感じ、手放したくなります。PFFが投資対象とする「優先株式」はかなり特殊な金融商品で、なかなか理解するのが難しいです。

私は「よくわからないものには投資しない」がセオリーですから、PFFへの投資予定はありません。

なんにせよ、自分が心から信じられるものに投資することが大切です。

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~