ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。
私は株式ポートフォリオの100%をHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)に投資しており、今年のNISA枠(120万円分)をHDVに全力投球しました。
しかしながら、HDVはかねてから「売買回転率が高すぎる!」とか「VYMやSPYDやVIGにもパフォーマンスでずっと負けている。やつは配当ベータETF四天王のなかでも最弱」とか「銘柄選定の基準が曖昧で信用できない。大して高配当でもない自社株(ブラックロック)を構成に組み込むってどうなの?」とか、いろいろとネガティブな意見がツイッターでは散見されます。
いまや米国配当系ETFといえば「王道のVYM」「将来性のVIG」「利回り重視のSPYD」のどれかであり、HDVの人気には影が差しつつあります。
来年も引き続きHDVを買い増していくかどうしようかは、けっこう真剣に悩んでいます。
— ほえタコ (@HoeTako) December 20, 2019
私自身もこのようなツイートをつぶやいており、来年もHDVに全力投球すべきかどうか結構悩んでいます。
しかしそれでもHDV以外のETFに手を出しづらいのは、その分散投資によって「リスクが下がる」とは考えていないからです。
分かりやすい例を出しましょう。
株式ポートフォリオを組む上で、もっとも合理的で堅実なのが、VT(バンガード トータル ワールド ストックETF)に投資することです。
VTは米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場を投資対象とするETFです。VTを買えば、世界の株式市場にまるごと投資することができます。
仮に今絶好調のアメリカが衰退しようと、資本主義社会が発展し続ける限りにおいて、おそらくVTは負けることがない。
《世界市場ポートフォリオ》こそが株式投資の最適解と私は考えています。
それでは「世界約47ヵ国 約8,000銘柄で構成されるVT」と「たった74銘柄の限られた米国企業で構成されるHDV」とを比較してみましょう。
銘柄 | HDV | VT |
---|---|---|
CAGR(年平均成長率) | 10.89% | 10.40% |
CAGR(※インフレ調整後) | 9.07% | 8.59% |
標準偏差 | 9.85% | 11.45% |
Best Year | 23.59% | 24.49% |
Worst Year | -2.98% | -9.76% |
最大下落率 | -8.02% | -14.45% |
Sharpe Ratio | 1.04 | 0.87 |
Sortino Ratio | 1.76 | 1.35 |
米国株式市場との相関 | 0.78 | 0.95 |
2012年から2019年までの、HDVとVTとの比較です。パフォーマンスはHDVの方が若干良いですが、見るべき箇所はそこではなく表中の黄色のアンダーラインを引いたところです。
ひとつめ「標準偏差」はVTよりもHDVの方が低い。つまり、リターンのブレはHDVの方が小さい。値動きのアップダウンはHDVの方が小さく安定しているのですね。
あくまで標準偏差だけを切り取れば、VTよりもHDVの方が「リスクが小さい」ことになります。
次に、パフォーマンスが最も悪い年(Worst Year)の比較です。
2018年に、VTは -9.6%下落しましたが、HDVは -2.98%しか下落しませんでした。
パフォーマンスがマイナスとなった年は2018年のほかに2015年もあります。このときもVTは -1.86%下落しましたが、HDVは -0.26%しか下落しませんでした。
最大下落率を見ても、HDV -8.02% に対して VT -14.45%と、やはりHDVの方が下落に強いです。
リーマンショック時はデータがないためわかりませんが、少なくとも過去7年間のデータを見る限りでは、HDVの方が下落耐性はありそうです。
「そんなことを言っても、HDVで米国大型株に集中投資するよりも、VTで全世界に分散投資した方がリスクを減らせるに決まってるじゃん!」
というツッコミもあると思います。そこで次に、米国株式市場との相関性を見ていきます。
VTの米国株式市場との相関は 0.95 ですが、HDVは 0.78 です。
つまり、VTよりもHDVの方がUS Stock Marketとの相関性が低いです。米国株式市場が下落局面に差し掛かったとき、より下落耐性があるのは過去データ上はHDVの方です。
結論を言ってしまえば、HDVの「防御力」はなかなかのものなんですね。したがってVTや他の米国株ETFと組み合わせてしまうと、ポートフォリオとしてHDVの防御力を最大限に発揮できなくなってしまう懸念があるわけです。
少なくとも私の観測範囲では「HDVよりも標準偏差が低く」かつ「HDVよりも米国株式市場との相関性が低い」、米国株式ETFは見つからないです。
したがって、来年以降にHDV以外の銘柄を買い付けるにしても、その選択が非常に悩ましい。
VTでもVOOでもVIGでもVYMでもSPYDでもVIGでも何でも良いのですが、HDV 100%のポートフォリオとそれらをかけ合わせれば、標準偏差もマーケット相関も上がってしまう。
分散投資したはずが、逆にポートフォリオのリスクを高めてしまう可能性があります。
私が今のところHDV 100%で資産運用している最たる理由がそれなんですね。
もちろん、将来的に何かしらの金融危機が生じた際に、HDVの一見して高そうな防御力の「化けの皮」が剥がれて、HDVが市場平均以上に大暴落する可能性は無きにしもあらずでしょう。でもそれはそのときになってみなければ分からないことです。
もしHDVと組み合わせるのであれば、株との相関性が低い何らかのアセット、ゴールドか債券か、はたまたビットコインか不動産か――、あるいは国内のネットネット株か、いろいろあると思いますが何にせよ悩ましいところです。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~。