レバレッジ投資における「ロジカル」と「エモーショナル」

ほえほえ^~、どうも、エモーショナル投資家のほえタコです。

2020年に入ってからとくに「ロジカルな(レバレッジ)投資術」なるものがブームになっているのを実感します。

私なんかは「ほえタコの豆腐メンタル投資術 ~心理的効用を最大化する生存戦略~」なるタイトルのブログを運営していることからもお察しのとおり、エモーショナルサイド(?)の投資家です。

戦略としてのレバレッジ活用を提唱するロジカル投資勢に対して、私はレバレッジETFに否定的な記事を過去には書いています。

SPXLやTECLへの長期投資を決める前に直視すべきリスク
ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。 最近投資家の間で大人気のレバレッジ系ETFに、SPXL(Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF)やTECL(Direxionデイリーテック株ブル3倍ETF)があります。 ...

では、ロジカル投資とエモーショナル投資は水と油の存在なのか。ロジカル勢とエモーショナル勢は分かり合えないのかというと、決してそんなことはなく、私自身は両者のバランスを取ることが大切と考えています。

SPXL(Direxion デイリーS&P500ブル3倍ETF)やTECL(Direxion デイリーテクノロジー株ブル3倍ETF)に投資することを「ロジカルで合理的」と考える人たちは、前提としてレバレッジをかける指数たるS&P500や情報技術セクター指数が右肩上がりで成長してきた実績を重視しており、そしてこのトレンドが長期的にも続くだろう未来に賭けています。

レバレッジETFにはたしかに減価特性があります。

しかし長期上昇トレンドの前提下では「増価特性」のメリットの方が大きく、現に過去11年間においてS&P500のパフォーマンス+230%に対し、SPXLは+1020%、TECLは+5200%と、とんでもない圧倒的な値上がりを誇ります。

Yahoo Finance  青線:TECL/赤線:SPXL/紫線:S&P500)

米国株の長期的な右肩上がり成長を前提とする場合、レバレッジETFへの投資は「長期間にわたるほど有利」であり「長期間持つほどに元本割れリスクは低減」されます。

したがって、私はSPXLやTECLに投資する戦略を《一定の合理性は認められるもの》と考えています。

ただその一方で、レバレッジ投資、SPXLやTECLが大勢から持て囃され支持を集める今の状況自体は、良いものとは感じていません。

高配当バリュー株の戦略として「TECL」を買っておけば良かったのかもしれない
ほえほえ^~、どうも、迷走中投資家のほえタコです。 私は2018年頃からHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)という高配当クオリティバリュー株で構成されるスマートベータETFをポートフォリオの大半にして資産を運用してきました。 ...

つい先日に「私もTECLに投資しようかな……」といった趣旨の記事(↑)を書きました。

ツイートのとおり、私のようなバリュー寄り思考でこれまでハイテクグロース株に慎重で、レバレッジ投資を敬遠してきたような投資家が、TECLへの投資を考えている。

2018年に「俺たちはアーリーアダプターだ! ビットコインは近いうちに5,000万円に到達するぜ!!!」と息巻いてド天井で仮想通貨を買っていた、クソ雑魚ナメクジ投資家であるこの私がTECLを買おうとしているような現況は、自虐するわけではありませんが相当ヤバみがあると感じています。

そしてもし私がTECLを掴んだ直後にそれが(18年の利上げショックや20年のコロナショック時みたいに)急落してしまった場合、ロジカルなんてかなぐり捨ててエモーショナルによって泣く泣く損切りするでしょう。

ボラティリティと過剰なリスクに、多くの人間は精神的に耐えられません。パニック状態になって株の売買注文を出してしまうエモーショナルが支配する状況下において、ロジカル思考は時として無力と成り果てます。自分が冷静でないときに自分が冷静ではないと気づくことはできないからです。

(余談)

あとこれ言ったら反感を買うかもしれませんが、オールドエコノミー株に投資する人をラガード(遅滞層/時代の変化に疎く、頭が固くて保守的な人)だと嘲笑するのであれば、今更ハイテク株に投資するのもまたレイトマジョリティ(後期追随層/周りがみんなやっているのを見てから自分も焦って同じことを始めようとする人)である自覚は持ちたいです。

(閑話休題)

人生全体における投資金額が決まっているのであれば、できるだけ初期のうちにリスク資産を運用していた方が期待リターンは大きくなりますし(原則として右肩上がり成長の市場では)長期的なリスクも軽減されます。

したがって「若いうちはレバレッジをかけてでも資産運用した方が良い!」とするのは、たしかに一定の合理性を持つ意見です。

ドルコスト平均法で給与上昇に伴い投資金額を増やしていく従来の方法は、「人生の後半期」に集中投資するのと同義になってしまう。

人的資本には債券性があり、サラリーマンの給与は長期にわたって安定的に入ってくるものだから、将来投資資金に回す予定の給与を前借りする形でレバレッジをかけて「人生の前半期」における投資をおこない、長期的なリターンとリスクを改善させよう!

確かにこの考え方はロジカルなのです。

ロジカルではあるんですが、この考え方が広く支持を集めて、みんながみんな「よっしゃレバレッジをかけるぜ!」となるような状況には一抹の不安を覚えます。

そして何より、上記のライフサイクル・レバレッジ投資戦略は

  • 「俺は会社をクビにはならないだろう」
  • 「たとえ会社が潰れても、自分は優秀だから他のところに転職できるだろう」
  • 「なんならフリーランスでも稼いでいけるさ!」

といった、良い表現をすれば「自信」や「自己肯定感」。悪い言い方をすれば「自己過信」や「楽観」や「傲慢」を必要とします。

何故なら「明日クビになるかもな……」「将来は食っていけなくなるかもな……」といった不安を抱えている状態では、レバレッジをかけてライフサイクルの前半期におけるリスク資産割合を高めるぜ!みたいな考えには到底達しようがないからです。

レバレッジ長期投資において大切なのは「ロジカル思考」と考えられがちですが、私はどちらかと言うと「エモーショナル」こそ無視できない要素であると感じます。

米国企業が長期的に右肩上がりで成長してゆく明るい未来、そして人的資本の債券性を用いてレバレッジをかけられるほどの市場価値が自分自身にあると確信できなければ、その投資戦略を継続することが困難であるためです。

『かしこさをともなわない勇気は乱暴でしかないし、勇気をともなわないかしこさは、屁のようなものなんだよ!』

『世界の歴史には、かしこくない人びとが勇気をもち、かしこい人びとが臆病だった時代がいくらでもあった。これはただしいことではなかった。勇気ある人びとがかしこく、かしこい人びとが勇気をもつようになってはじめて、人類も進歩したなと実感されるだろう。』

出典:エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』

ドイツ児童文学、ケストナーの『飛ぶ教室』には上のような一節があります。

これは投資にも当てはまるものです。

論理を無視した感情的な投資に走るのはまったくもって愚かですが、感情を無視した論理的な投資もけっきょくは自滅してしまう。

自己啓発書っぽい内容になってしまいましたが、最近考えていることはそんな感じです。誰得投資ポエムもときどきつぶやくので興味を持たれた方は、Twitter:ほえタコ(@HoeTako)をフォローいただけると嬉しいです!

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~!