ほえほえ^~、ご無沙汰しております。米国株投資ブロガーのほえタコです。
仕事が忙しく、長らくブログの更新ができていなかったのですが、先日当ブログのお問い合わせフォーム経由でこんな感じのメールが送られてきました。
件名:出版依頼
電子出版プロデューサーの◯◯です!
ブログ拝見し、とても面白く興味深い内容だったのでご連絡いたしました。
このブログに書いてる内容をもとに「電子出版」をしてみませんか?
弊社の出版サービスを利用して、月100万円を稼いでいる作者様もたくさん(以下略
しゅ、出版依頼!???!!!?????
つ、ついにこの私にも出版化の話が舞い降りてきた!! メールによると電子出版で月100万円以上の収益を得ている人もいるのだとか。
ようやく私も、バフェット太郎氏やたぱぞう氏に並ぶ書籍化著名米国株ブロガーの仲間入りを果たすときが来たようです。
って、そんなはずがありません。
まだ投稿記事数が100件にも満たず、更新も長らく放置していて、おまけに扱っている内容がほぼHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)というETFの話に終始しているこんなニッチなブログにそうそう出版依頼なんて来ようはずがないです。
届いたメールをよくよく読んでみると、案の定、いかにもスパムチックな定型文の羅列でした。
最後に貼られていたリンクをクリックすると、○万円であなたのブログをKindle電子出版します!といった宣伝のページに飛びました。
じつは3年前にもこれとよく似たメールを受け取ったことがあります。
巷では有名(?)な、ブログ電子書籍化オファービジネスです。
出版詐欺ではないのですが「電子書籍を出版するのは難しくて費用がかなりかかるのでは?」という先入観を利用した情報ビジネスのひとつです。
ブログ電子書籍化オファービジネスの仕組み
ブログ電子書籍化オファービジネスには「初期費用型」と「マージン型」の2タイプが存在します。
初期費用型は初めに数~十数万円の費用を受け取って、電子出版を代行するというもの。
原稿ファイルと表紙の画像さえあれば、KDP用のフォーマットデータに変換してAmazon Kindleの出版申請まで30分以内で完了してしまいますから、これはなかなか美味しいビジネスと言えます。
KDPとは
Kindleダイレクトパブリッシングの略。Amazonのキンドルストアで個人でも電子出版できるサービス。
もちろん、
- 原稿の校正
- 表紙のデザイン
- 集客、マーケティング
まで含めて代行してくれるのであれば、十数万円の費用がかかるのは正当たるコストと言えるかもしれません。
しかしながら得てして「電子書籍化オファー」のサービスは、担当者が原稿に一度も目を通すことがなく、しかも表紙も自前で用意しなくてはならず(もしくはチープなテンプレデザインしか無かったり)、集客効果を表向きは謳っていても実際は無いに等しいような内容であるケースが多いです。
であれば自分で電子出版した方がずっと良いですね。
初期費用型に対して、マージン型のオファービジネスもあります。
オファー型は「オファーなので特別にタダで電子出版して差し上げますよ!」という太っ腹なタイプのサービスです。
タダなのに収益を上げられるのは、KDPのロイヤリティからマージンを差し引いているためです。
KDPセレクトに登録すると、著者は売り上げに対して70%のロイヤリティ(印税)を受け取ることができます。また、Kindleアンリミテッド(読み放題サービス)で読まれた場合には閲覧されたページ数に応じたロイヤリティが発生します。
マージン型のブログ電子書籍化オファービジネスでは、印税率を10%~20%としておき出版契約を結び、(実際はAmazonから70%の印税が支払われるので)差益の50%~60%の印税を自社のものとすることで収益を上げています。
ドメイン代やサーバー代の発生するWebサイト運営とは違って、Kindleで電子書籍を出版する初期コスト及び維持コストはゼロです。印刷代も在庫維持費もかかりません。
したがって、出版代行業者としてはブロガーに片っ端から出版オファーを出してコンテンツを集め、わずかな労力で電子書籍を大量生産&大量出版すればそこそこ安定したインカムゲインとなるわけですね。
このビジネスの良いところはリスクがほぼほぼゼロなところです。(なにせコストがかからないので)
そもそも誰がメールフォームで問い合わせてきているのか
この手のスパム営業メールは、何かしらのツールを用いて機械的に大量送信されるケースもあります。
しかしWordPressのメールフォームやコメントフォームでは、スパム対策を取っているところが多いですし、じつはツールで楽々お問い合わせ爆撃を仕掛けるのは(技術的に)わりかし難しいです。
Akismet Anti-Spam , SiteGuard WP Plugin , reCAPTCHA (v3)など、スパム対策用の便利なプラグインや機能はいろいろあります。
私は過去にブラックSEO企業に勤めていた経験があり、その感覚からすると今回の出版オファーも業者が人海戦術で送ってきた可能性が高いと踏んでいます。
そこで試しにクラウドソーシングサイトで発注案件を調べてみたところ、恐らくこれで間違いないだろうという案件が見つかってしまいました。
「200件あたり800円で、ブロガーにテンプレ文章を送信するだけの簡単なお仕事です!」という闇の案件が……。
1件4円の低単価で在宅ワーカーたちがスパム業務に加担させられていることを思うと複雑な心境です。
以上、出版オファーのスパムメールが届いてぬか喜びしてしまった話でした。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~