HDVと組み合わせるならVIG(米国増配ETF)が最適か

ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。

このブログの開設当初から、管理人である私は一貫してHDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)100%のポートフォリオで資産を運用しています。

一般的にHDVは「ディフェンシブ色の強い高配当ETFである」と認識されています。しかし実際のところ、HDVは言うほどディフェンシブではありません。

というのもエネルギーセクターの比率が高すぎるからです。

(2019年5月4日時点)

上図のとおり、HDVは構成比率の約20%がエネルギーセクターで占められています。

HDVは米国市場平均と比較してももちろん、SPYDやVYMといった米国高配当系ETFと比べた場合に、長期パフォーマンスで大きく劣っています。

これはエネルギーセクターがHDVの足を引っ張っているからであると考えて差し支えないです。エネルギーセクターさえ無ければHDVの成績はめちゃくちゃ良くなります。

エネルギーセクターは、不景気下のインフレには強いセクターです。とくに原油高に起因する物価高騰でスタグフレーションに陥っているときには、エネルギーセクターがひときわ輝きます。

その意味において、エネルギーセクターはディフェンシブ性を持ちます。

しかしながら今現在アメリカは「好景気かつ金利を下げようとしている時期」ですから、エネルギー株には逆風が吹いています。

何より、エネルギー株は原油価格の影響を強く受け、業績が安定しないデメリットを持ちます。地政学的リスクがとても大きいです。(直近でもイラン産原油の禁輸問題で荒れていますね)

「エネルギーセクターはイヤだ!!」という人はそもそもHDVには投資しない方が良いのですが、「HDVと組み合わせてエネルギーセクターの比率を落としたポートフォリオを組みたい」という人にはおすすめのETFがあります。

VIG(バンガード米国増配株式ETF)です。

VIGは「10年以上連続して増配の実績を持つ米国株」で構成されたETFです。

私的にはVIGは増配にフォーカスした「グロース株投資」にカテゴライズされると考えています。(※異論は大いにあると思います)

業績が安定して伸びていなければ何十年も連続増配なんてできませんから、優良グロース株を探す際に増配でスクリーニングをかけるのは理に適っています。

予想PERを比較すると

  • HDV:16.56
  • VOO(S&P500):17.05
  • VIG:19.31
  • QQQ(NASDAQ100):21.05

となっています。

10年以上連続して増配している優良企業は「これからも増配を続けていけるだろう」と投資家からの大きな期待を集めています。そのため、指標としてはやや割高、グロース寄りのETFになるだろうとほえタコ的には思います。

より正確に述べるならば「成長株から成熟株へと移り変わる過渡期の銘柄」をピックアップしている印象です。

さて、なぜHDVとVIGを組み合わせると良いかというと「VIGはエネルギーセクターの保有比率が0%」なんですね。そうなんです、VIGにエネルギーセクターは入っていないのです。

これは逆説的に(業績の安定しない)エネルギー企業は10年連続増配なんてできっこないってことですね。

いや……。

待ってください。何かがおかしいです。

なぜ……どうして……。

どうしてVIGにエネルギーセクター最大の企業であるエクソンモービル(XOM)が入っていないのでしょうか。

エクソンモービルといえば「36年連続増配」の実績を持つ最強の配当貴族銘柄です。(HDVの構成比率トップを長年占めます)

エクソンモービルが連続増配ETFであるVIGに組み入れられていないのはおかしいです。

2時間くらいかけて調べたのですが、ごめんなさい。理由がわかりませんでした。m(_ _)m

VIGは「NASDAQ US Dividend Achievers Select」というインデックス指標がベンチマークとなっています。

さらに、「NASDAQ US Dividend Achievers Select」は「NASDAQ US Broad Dividend Achievers Index」というインデックス指標をベースに作られています。

このVIGの大本の大本たる「NASDAQ US Broad Dividend Achievers Index」にはエクソンモービルが構成比率4%で含まれており、エネルギーセクターが全体の9.25%を占めています。

すなわちVIGのベンチマークへと「Select(厳選)」される際に、何らかのロジックによって意図的にエクソンモービルや他のエネルギーセクターが除外されていることになります。

選定メソッドは謎なんですが、ともかくVIGはエネルギーセクターが入っておらず、HDVと組み合わせて保有することによって各セクターのバランスが取りやすくなります。

VIG固有の考察はまた他の記事に回そうと思います。

かいつまんで紹介するとVIGは

  • 設定来(2007年~)のパフォーマンスではS&P500にアウトパフォームしている
  • リーマンショック時の最大下落率がS&P500よりも軽微
  • S&P500やVYMと比べるとリーマンショック年の減配率が軽微

と攻守ともに優れたETFで、市場平均に勝てる可能性のあるスマートベータ系ETFとしては有望です。

ほえタコはHDVの狂信者なので、今年のNISA枠はすべてHDVで埋める予定です。

しかし、HDVのエネルギーセクター比率が不安だと感じられる人は、VIGをポートフォリオに組み入れることで適度にバランス調整ができるかなと思います。

(参考:Backtest Portfolio Asset Allocation

VIGの長期パフォーマンス比較です。過去10年間で切り取ると市場平均に負けてしまうものの、リーマンショックを含めた期間では市場平均に勝っています。

なかなか面白いETFだと感じます。

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~