ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。
ほえタコはポートフォリオの100%をHDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)で運用していますが、HDVホルダーとしてやはり気になるのが「HDVって原油価格の影響をどの程度受けるの?」ということです。
HDVは米国の優良高配当銘柄を集めたETFであるものの「エネルギーセクター企業の保有比率が高い」特徴を持っています。
18年12月現在、HDV構成保有比率のおよそ21.15%がエネルギーセクター企業となっています。
すなわち単純に考えると、原油価格の上下にHDVは2割分くらいは影響を受けそうだと推測できます。
悲しいことに、WTI原油先物は18年10月に高値をつけてから急降下のナイアガラチャートを描いており、なんと最大下落率が-37%を超えています。
米中の貿易摩擦・シェールオイルの過剰供給・景気後退懸念のトリプルパンチにより、1年2ヶ月ぶりの安値を更新しました。
HDVを構成するエネルギーセクター企業は、次の7企業となります。
ティッカー | 銘柄名 | 保有比率(%) |
---|---|---|
XOM | EXXON MOBIL CORP | 9.4 |
CVX | CHEVRON CORP | 6.43 |
SLB | SCHLUMBERGER NV | 1.44 |
WMB | WILLIAMS INC | 1.06 |
OKE | ONEOK INC | 0.93 |
PSX | PHILLIPS | 0.84 |
VLO | VALERO ENERGY CORP | 0.69 |
この7銘柄の過去3ヶ月間(9月19日~12月19日)の下落率と、原油価格・HDV・エネルギーセクター市場平均の下落率とを比較してみるとこうなります。
ティッカー | 銘柄名 | 過去3ヶ月間下落率(%) |
---|---|---|
XOM | EXXON MOBIL CORP | -14.92 |
CVX | CHEVRON CORP | -8.18 |
SLB | SCHLUMBERGER NV | -38.20 |
WMB | WILLIAMS INC | -20.47 |
OKE | ONEOK INC | -18.77 |
PSX | PHILLIPS | -22.52 |
VLO | VALERO ENERGY CORP | -35.22 |
VDE | エネルギーセクター平均 | -23.54 |
USO | WTI原油先物 | -34.47 |
HDV | iシェアーズ・コア米国高配当株ETF | -6.68 |
おお、予想外にHDVが健闘していますね。
直近3ヶ月間で原油価格が-34%下落し、エネルギーセクターも連れて-23%下落し、HDV保有比率第一位のエクソンモービルでさえ-15%と大幅に下がっているのに、当のHDVは-6.68%しか下がっていません。
HDVの銘柄保有率から逆算をすると、上表7企業の株価下落がポートフォリオ全体に対して与える影響はおよそ-3.3%となります。
したがって今回の例だけで考えますと、たとえ原油価格が-34%下がることになろうとも、HDVに対しては-3%程度しか影響しないことになります。
そもそも直近3ヶ月は、エネルギーセクターだけでなくあらゆるセクター、米国市場全体が下落した期間でした。S&P500は-12.9%、NYダウ平均は-10.2%下落しました。
しかし原油価格暴落の逆境にもかかわらず、HDVは-6.7%しか下げていません。
HDVとしばしばライバル視されるVYMにしても直近3ヶ月では-10%下げていますから、下げ率だけで言えばHDVのディフェンシブ性はなかなかのものです。
青:HDV /赤:VDE(エネルギーセクターETF) / 黃:USO(WTI原油連動ETF)
原油価格の低迷がHDVの重しになるのはたしかですが、パフォーマンスに与える影響はそこまでではありません。上図はHDV・VDE・USOの比較チャートです。
原油(USO)は暴落し、エネルギーセクター企業(VDE)も絶不調の5年間でしたが、HDVは堅実にパフォーマンスを伸ばしています。
これに配当金再投資を加えると、三者の差はさらに開きます。
青:HDV /赤:VDE(エネルギーセクターETF) / 黃:USO(WTI原油連動ETF)
配当金再投資加味のパフォーマンスチャートです。HDVの圧倒的な安定感が見て取れます。
HDVについて紹介している考察記事をいくつか読んでみますと「HDVはエネルギーセクターの比率が高すぎるのが気になる」「原油価格の影響を受けやすいのでは」といった意見がやはり見つかります。
それは無論、一理あるには違いないのですが、そこまで気にするほどでもないよーということですね。
それに、仮に将来的に石油産業がオワコン化して、エクソンモービルの財務体質に万が一ヒビが入るような事態があれば、HDVの構成銘柄からはきっと外されます。結果としてエネルギーセクターの保有比率も下がることでしょう。
HDVはあくまで企業の「質」×「財務健全性」×「配当」でスクリーニングをかけて構成銘柄を決めており、セクター割合は流動的です。
売買回転率の高さがしばしば槍玉に挙げられるETFですが、私はまさにHDVのどんな環境にも適応し得る変幻自在で見ていて飽きないところが気に入っています。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~