超低流動性ETF! WisdomTreeの貴金属上場投信に投資する際の注意点

ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。

はじめに断っておきますと、今回ご紹介するETFはめちゃくちゃリスクが高いです。

超上級者向けか変態向けの金融商品であり、初心者が手を出すと死ぬやつです。

特定の銘柄の売買を推奨する情報ではありませんので、投資は自己責任でお願いします。

WisdomTreeの東証ETFで金・銀・プラチナ・パラジウムに投資できる!

東証上場外国ETFとして、WisdomTreeからは下記5つの貴金属ETFが用意されています。楽天証券やSBI証券など、一般的な証券会社で売買可能です。

証券コード名称信託報酬(経費率)
1672WisdomTree 金上場投資信託0.39 %
1673WisdomTree 銀上場投資信託0.49 %
1674WisdomTree 白金上場投資信託0.49 %
1675WisdomTree パラジウム上場投資信託0.49 %
1676WisdomTree 貴金属バスケット上場投資信託0.44 %

※信託報酬情報は2020年2月6日時点のものです。

国内証券から投資可能な貴金属ETFとしては経費率も最安の部類で、ファンドの資産はイギリスHSBC銀行に地金として現物保管されていますから、安心感はあります。

WisdomTree 貴金属バスケット上場投資信託(1676)は記事執筆時点では

  • ゴールド:45.78%
  • パラジウム:32.52%
  • シルバー:15.21%
  • プラチナ:6.79%

の比率で各貴金属に分散バスケット投資できるユニークなETFで、それでいて経費率は0.44%と非常に優れています。

ふつうにいいじゃん!!と思われるかもしれません。

しかし、気をつける必要があります。

このWisdomTree 貴金属ETFシリーズは、流動性が死んでいるからです。

流動性が死んでいるとはすなわち、日々ETFが売買される出来高が少ない、少ないどころか出来高がゼロの日も珍しくなく「買いたいときに買えない」「売りたいときに売れない」という流動性リスクを負うことになります。

(出典:Yahooファイナンス

上は「WisdomTree 貴金属バスケット上場投資信託(1676)」の直近1年間のチャートです。もはや閑散相場なんて次元ではなく、一体どんな物好きが売買しているのだろう、上場する存在意義は何なんだろう、とため息を付いてしまうレベルです。

付け加えると、WisdomTree 貴金属ETFシリーズはETFの「1口あたり資産価格」と「株価」の乖離が著しく大きいです。

これを理解せずに売買すると、超割高で買わされるか、逆に超割安で売らされる羽目になります。

以下に、2020年2月5日時点での「ETF 1口あたり資産額」と「株価」の乖離率をプロットします。

証券コード名称1口あたり資産額株価乖離率
1672WisdomTree金上場投資信託\16,21816,2200.01%
1673WisdomTree銀上場投資信託\1,8161,609-11.40%
1674WisdomTree白金上場投資信託\10,0409,550-4.88%
1675WisdomTreeパラジウム上場投資信託\25,14129,50017.34%
1676WisdomTree貴金属バスケット上場投資信託\14,69913,390-8.91%

※株価は2020年2月5日終値ベース。1口あたり資産額はWisdomTree適時開示情報(PDF)参照。

ご覧のとおり、乖離率のひどいのが銀ETFで、本来の資産価格より-11.40%も低い価格帯で売買されています。逆にパラジウムは本来の資産価格より17.34%も高い価格帯で売買されています。

パラジウムETFは流動性が低すぎるあまり、過去に何度かストップ高しており、ある種の仕手株化しています。

この「1口あたり資産額」を知らずに売買すると、ふつうに損をしてしまう可能性が高いです。

ETFS 金上場投資信託 | 東証マネ部!
ロンドン地金市場協会(LBMA)の規格にもとづく金地金の現物...

上記の東証マネ部!のETF情報ページに決算適時開示情報として「上場ETF(管理会社:WisdomTree、外国投資法人:CSL)に関する日々の開示事項」というPDFファイルへのリンクがあります。

この適時開示情報は毎営業日の午前10時半頃に公開され、PDF中に1口あたり資産額の情報もあるので、売買の際にはこちらを必ずチェックするようにしたいです。

付け加えると、もうひとつ見ておきたいのがWisdomTreeの公式サイトです。こちらに東証上場外国ETFの本家となる大元のETFの情報が記載されています。

https://www.wisdomtree.eu/en-gb/products/ucits-etfs-unleveraged-etps/commodities/wisdomtree-physical-gold

WisdomTree金上場投資信託(1672)であれば、上が公式ページです。

見てほしいのは、ページの終わりのほうにある「LIVE PRICES」の情報です。

(出典:WisdomTree

WisdomTree金上場投資信託(1672)の元となるETFは、東証だけでなくアメリカやヨーロッパの証券市場にも上場しています。その各市場でついた株価を一覧で見られるのが「LIVE PRICES」のテーブル表です。

「Last Price」として、各国の通貨で終値が表示されていると思いますが、それぞれを円建てに換算してみると株価に差異があるのが分かります。(金だとそんなに差異はないですが、銀やパラジウムでは東証市場だけ乖離がひどいことが分かります)

出来高(Volume)が最も多い市場が、最も適切な株価形成がなされていると推察されますので、出来高の多い市場の株価を参考にするようにしましょう。

上画像では東証市場の出来高は「8」となっており、話にならないレベルで株価の信頼性が低いです。

さて、ここまで記事を読まれた方であれば「1口あたり資産額」と「株価」の乖離率を利用すれば、かなり有利なトレードができるのでは、と考えるかもしれません。

私もそのように考えています。大多数の投資家は、このような情報を調べもせずに、チャートだけを見て売買をおこなっているからです。(たびたびストップ高するパラジウムETFの値動きを見ても明白です)

しかし繰り返すように、リスクはめちゃくちゃ高いです。ここで背負うのは流動性リスクです。

言ってしまえば、資産額と株価の乖離が「是正」される市場原理が先に働くのか、是正される前にコモディティ価格自体が下落してしまうのか、どちらが先かを賭けたチキンレースとなります。

経費率は安いですし現物の担保もありますから、長期保有は悪くない選択でしょう。

しかし「売りたいときにまったく売れない」レベルの流動性の低さですから、それこそ一度買ったら最後、ETFの償還のときまで持ち続けるくらいの覚悟が必要です。

そもそも出来高が少なすぎて、買い集めるのが大変ですね……。

以上、非効率的な市場においてはそれなりにチャンスが転がっているが、リスクもやはりそれなりに大きいというお話でした。

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~