スマートベータ系ETFの分散投資で「個性が失われる」問題について

ほえほえ^~、どうも、ほえタコです。

ほえタコの株式投資におけるポートフォリオはHDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)100%となっています。

HDV自体は日本国内でも知名度&人気の高いETFですから、私も持ってるよー!という方は多いと思います。しかしポートフォリオの100%をHDVにしている投資家はかなり少数派だろうなと自覚しています。

HDVでポートフォリオを組む場合、例えば

  • HDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)
  • VYM(バンガード米国高配当株式ETF)
  • SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)
  • DEM(ウィズダムツリー新興国株高配当ファンド)
  • PFF(iシェアーズ米国優先株式ETF)

の高配当系ETFに各20%ずつ分散投資して安定したインカムを狙いに行く戦略ですとか、

あるいは

HDV(iシェアーズコア米国高配当株ETF)

VTI(バンガードトータルストックマーケットETF)

を半々で持ってバランスを取る戦略が考えられます。

ポートフォリオには、投資家の思想が色濃く反映されます。

前者(HDV・VYM・SPYD・DEM・PFFの均等分散)であれば、「キャピタルゲインを犠牲にしても良いから安定したインカムゲインを得たい」といった考え方が見えてきます。

後者(HDV・VTIの均等分散)であれば、「米国優良高配当株に投資をしたいが、市場平均に負けて後悔するのは嫌だ」といった考え方が見えてきます。

いろんな考え方があって良いですし、どれが正しいとも言えません。大切なのは投資家自身の心理的効用(納得できるか否か)です。

ただ一方で、複数のETFに分散投資することでかえって魅力が失われてしまうケースもあります。

  • VTV(バンガード米国バリューETF)
  • VUG(バンガード米国グロースETF)

例えばバリュー系ETFとグロース系ETFを混ぜ合わせるみたいなケースです。当然ながらVTVとVUGを半々で持つと、値動きやパフォーマンスは市場平均に近づきます。バリュー投資の長所・短所とグロース投資の長所・短所を互いに互いで打ち消し合うからです。

これはそれぞれのスマートベータETFの「個性が失われる」ことを意味します。

個性が失われるとはすなわち「そんなポートフォリオを組むなら初めから市場平均(VTIやVOO)を買うだけで良かったじゃん!」となることです。

セクターETFでも同じことが言えます。

初めはVGT(情報技術)とVDC(生活必需品)の二本立てでポートフォリオを組んでいたのに、やっぱりヘルスケアもいいなと思ってVHTを加え、エネルギーへの逆張りも面白いなと感じてVDEを追加し、GoogleやFacebookがコミュニケーションサービスセクターに移ったことを機にVOXも入れてみる。

そうやって次から次へとセクターETFを組み込んでいけば、パフォーマンスは限りなく市場平均に近づいてゆきます。もちろんセクター保有比率が異なりますから完全に市場平均と同じになることはないですが、わざわざセクターETFに分散投資することの意味を見出しづらくなります。

やっぱり最初から市場平均を買っておけば良かったじゃん!!となるやつです。

それと同じで、HDVQQQを半々で持つポートフォリオも、たしかに「不人気高配当バリュー × 人気ITグロース」の掛け合わせでバランスが良さそうなものの、「高配当 × 低配当」 & 「バリュー × グロース」となりやはり互いの長所と短所を打ち消し合い、それなら「市場平均でいいじゃん」となってしまう。

とくにHDVのようなスマートベータ系ETFはポートフォリオに組み込むのが案外悩ましいものです。

上図のようにHDV・VYM・SPYDの高配当ETFで統一しても、やはりそれぞれのスマートベータとしての個性が打ち消されてしまいます。

せっかくHDVで厳選された優良銘柄に投資をしているのに、SPYDやVYMを加えると「厳選」のコンセプトが揺らいでしまう。

これはパフォーマンスに与える影響がどうこうの話ではなくて、純粋に心理的な問題です。

ほえタコ的には、HDVの持つスマートベータETFとしての個性や面白みが消えてしまうのがどうにも惜しくて、それでポートフォリオをHDV100%にしています。

米国株ブログを眺めていると、面白そうなETFの紹介記事がたくさんあって、あれもこれも欲しくなってしまいます。しかし結局のところ万人におすすめできるのは、市場平均(VTI:バンガードトータルストックマーケットETF)の積立投資くらいです。

セクター戦略にせよバリュー戦略にせよ高配当戦略にせよ、あえて市場平均以外の道を進むからには、自分のなかで相応の投資哲学を持っておく必要があります。(でなければ市場平均にアンダーパフォームしている時期に投げ売りしたくなってきます)

スマートベータ系のETFをあれもこれもとポートフォリオに組み込んで個性をあやふやにするくらいであれば、シンプルにVTIやVOO1本に投資した方が気分的にはすっきりするかと思います。

ほえタコの「HDV100%」のように極端に全振りする必要は一切ありませんが、自分の投資哲学をポートフォリオに反映させるためにも、組み入れるETFはできるだけ厳選してシンプルに運用したいものです。

それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~

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この記事を書いた人

豆腐メンタル投資家。株式投資歴9年。
iDeCo&つみたてNISAでの全世界株投資を主軸に、趣味で米国株や日本株のリスク許容度最適化ポートフォリオを組む。
ツイッターは @HoeTako
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