ほえほえ^~、どうも、高配当ETFが大好きなほえタコです。
さて、東証に上場しているETFで「iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)」なるものがあります。
1478は「MSCIジャパン高配当利回りインデックス」をベンチマークとするETFです。単なる高配当企業を集めたETFではなく、「配当継続性」「配当性向」「財務体質(ROE、負債・自己資本比率、収益の変動性)」等の基準を満たす、厳選された優良高配当の日本企業に投資します。
そのため1478の保有銘柄数は 38銘柄 とかなり少ないです。(※18年12月現在)
少ないですが、分散投資としては十分な銘柄数です。記事執筆時点での保有上位10銘柄は次のとおりです。
ティッカー | 銘柄名 | 保有比率(%) | 業種 |
---|---|---|---|
5108 | ブリヂストン | 5.62 | ゴム製品 |
2914 | 日本たばこ産業 | 5.31 | 食料品 |
8001 | 伊 藤 忠 | 5.24 | 卸売業 |
7203 | トヨタ自動車 | 5.11 | 輸送用機器 |
9437 | NTTドコモ | 5.06 | 情報・通信業 |
9432 | 日本電信電話 | 4.88 | 情報・通信業 |
9433 | KDDI | 4.86 | 情報・通信業 |
7201 | 日産自動車 | 4.82 | 輸送用機器 |
7751 | キヤノン | 4.8 | 電気機器 |
7267 | 本田技研 | 4.77 | 輸送用機器 |
上位10銘柄で全体の 50.47% を占めます。ちなみに時価総額加重平均型です。
※当記事の執筆後にベンチマークの銘柄入れ替えがあり、当ETFの構成銘柄も若干変更されました。そのため記事情報がやや古くなっていることをご了承ください。
下の追記記事にて銘柄入れ替えについて書いています。

業種別投資内訳
セクター比率、もとい業種別投資内訳は下記のとおりです。
業種 | 保有比率(%) |
---|---|
輸送用機器 | 20.60 |
情報・通信業 | 17.23 |
電気機器 | 9.95 |
卸売業 | 8.68 |
ゴム製品 | 6.47 |
機械 | 6.02 |
化学 | 5.96 |
食料品 | 5.36 |
建設業 | 4.81 |
保険業 | 4.74 |
その他金融業 | 2.36 |
その他 | 7.76 |
見た感じ、適度に業種が分散されていると感じます。
記事執筆時点の情報ですので、最新のデーターについてはブラックロック社の公式サイト(https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/279436/)でご確認ください。
セクター比率最大を占める「輸送用機器」とは何ぞやというと、これはお察しの通り自動車メーカーのことです。
トヨタ自動車、本田技研工業、SUBARU、ヤマハ発動機といった日本を代表する自動車・バイクメーカーがiシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)には組み込まれています。もちろん、ゴーン前会長逮捕問題で騒がれている日産自動車も入っています。
ちなみに「ゴム製品」の業種に分類される企業として、ブリヂストン・横浜ゴム・住友ゴムが含まれますが、これらのメーカーの主力製品はタイヤであり、実質的に自動車関連銘柄です。そのため円安と原油安がポジティブ要因として働きます。
二番目に多くを占める「情報・通信業」にはNTTドコモ、日本電信電話、KDDIが含まれます。先月11月にドコモが携帯電話料金を値下げする方針を公表し、ドコモショックによりこれらの通信株は軒並み急落しました。元々、総務省から携帯電話料金を値下げするよう圧力がかかっており、通信業界は厳しい戦いを強いられています。
分配金利回り
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)の利回りは現在 2.68% です。
分配頻度は年2回で、例年2月と8月が権利確定月となります。
そんなに高配当な印象を受けませんが、日経平均の利回り(1.51%)よりかは高くなるよう設計されています。
ちなみに私が投資しているHDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)の分配利回りは 3.46% と高配当ですが、配当にかかる税金(米国所得税 + 国内所得税)を加味すると実質利回りが 2.23% にまで下がってしまいます。
国内株ETFであれば「配当控除」が使えますから、条件によってはHDVよりも1478の方が配当率では有利になり得ます。
経費率
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)の信託報酬は 0.19% です。
ただしこれは税抜き表記であるため、国内消費税を10%と仮定すると 0.209% くらいになります。
さすがにバンガード社の低コストETFと比べると割高ですが、国内ETFのなかでは安い部類に入ります。
0.19%の手数料で優良高配当の日本企業38社に投資できるのであれば、十分コストに見合った分散投資のためのツールになるかと思います。
優待について
ただ、投資資金が潤沢にある人であれば
で公表されている保有銘柄一覧を参考に、自分で個別株のポートフォリオを作ったほうが良いかもしれませんね。
というのも日本には「株主優待」という独特な制度があり、ETFだとこの恩恵を受けられないからです。
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)の構成銘柄38社のうち、株主優待を設けている企業は14銘柄もあります。一応リストアップしておきましょう。
ティッカー | 銘柄名 | 株主優待 |
---|---|---|
2914 | 日本たばこ産業 | 自社グループ会社商品(食品等) |
9433 | KDDI | カタログギフト |
7201 | 日産自動車 | カタログギフト(条件有) |
7267 | 本田技研 | 遊園地優待利用券、自社オリジナル製品等 |
6301 | 小松製作所 | 自社製品(オリジナルミニチュア) |
1878 | 大東建託 | 全国共通ギフト券等 |
1928 | 積水ハウス | コシヒカリ |
8697 | 日本取引所グループ | クオカード |
7272 | ヤマハ発動機 | 地元名産品等 |
9201 | 日本航空 | 株主割引券等 |
4902 | コニカミノルタ | 自社オリジナルカレンダー |
8304 | あおぞら銀行 | 定期預金優待等 |
3291 | 飯田GHD | 江の島アイランドスパ利用券 |
5463 | 丸一鋼管 | おこめ券 |
お米券やクオカード、全国共通ギフト券などは貰って嬉しい優待ですね。
現物で iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)の構成銘柄にすべて投資しようとすると、当方の試算が正しければ、最低 1300万円は必要となります。
上位10銘柄だけで良ければ400万円もあれば足りるでしょうか。
ETFで投資するか、自分で個別株に分散投資をするかは悩むところですが、私であれば手持ち資金が1000万円くらいなら「MSCIジャパン高配当利回りインデックス」を真似た個別株投資で運用するかなと思います。せっかくなら優待がほしいので。
1000万円の運用金額なら、信託報酬分でかかるであろう年間2万円程度のコストも浮きます。あと、個別株分散投資なら損出しで課税を先延ばしにする戦略が使えます。
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)は日本株版のHDVになるか
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)のような高配当米国ETFが好きな人であれば、その国内株版として「iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)」は相性が良いかもしれません。
インカムゲイン(配当)を目的とした投資で、地域を分散させたい場合にはポートフォリオに組み入れる価値のあるETFです。
1478は配当継続性や財務体質等でスクリーニングし、業績や財務状況が健全でない企業を自動的に取り除いてくれるのが有り難いです。値上がり益はあまり期待できないでしょうが、安定したインカムは期待できます。
ただ、私としては今のところ 1478 に投資する予定はありません。
というのも日本に住んでいるとどうしても、日本の行く先が不安になってくる暗いニュースばかり飛び込んでくるからです。
1478の保有銘柄に限っても、日産前会長逮捕の陰謀論ですとか、自動車「走行距離課税」の導入案ですとか、総務省の携帯料金値下げ圧力ですとか、消費税増税ですとか、NTTの退職エントリー騒ぎですとか、まあいろいろあります。
そういうニュースから目を背けることがなかなか難しく、自身の心理的効用を踏まえて、私は日本株には投資していません。あくまで気持ちの問題というやつです。
とはいえ1478の保有銘柄は国内高配当株投資をする上でおおいに参考になるものですし、個別株のポートフォリオ構築にも役立つかと思います。
個人的には、日経平均ETFに投資するよりかはこちらに投資するほうが好みです。
それでは明日も頑張っていきましょう。たこたこ^~